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[J-P-1]Survey of the overlap and distribution of strata around Nanataki Falls

*Kumamoto City Tukide Elementary School1 (1. Kumamoto City Tukide Elementary School)
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 研究者生徒氏名:髙木英志

1.研究目的
熊本県御船町には、阿蘇火砕流堆積物(第四紀)、御船層群(白亜紀)、水越層(ペルム紀)などの時代の異なる地層が分布している。
御船町七滝周辺では、御船川に沿う北側の道路の斜面に地層が露出しており、場所によって異なる地層を観察することができる。
しかし、各層の境界は泥や砂に埋もれたり、木々で隠されていて、直接観察することはできなかった。
そのため、地層の重なり方については、不明な点が残されている。
本研究では、御船町七滝から松ノ生地区における地層の重なりや分布を考察する。

2.研究方法
①露出している地層のルートマップを作成する。
②地層から落下してきた岩の中から化石を探し出す。
③過去の論文を参照にして、地層の特徴と化石から、その地層の年代を特定する。
④走向傾斜を測り、その地層がどのような状態か考察する。

3.研究結果
・松ノ生地区では黒色頁岩が露出し、西に約84°傾斜していた。
・その黒色頁岩の約20m西側には、赤色泥岩が露出していた。
・赤色泥岩のさらに約145m西側で、砂岩と泥岩からなる地層が観察できた。
・その地層は、シュードアサフィスなどの二枚貝を産出することを確認した。
・そのさらに西側には、黒曜石のレンズを挟む溶結凝灰岩が見られた。
・溶結凝灰岩は約70mの厚さがあった。

4.考察 
・砂岩と泥岩からなる地層から産出するシュードアサフィスなどの二枚貝は、御船層群下部層から報告されている種であるため、この地層は、御船層群下部層だと考えられる。
・その西側の溶結凝灰岩は約70mの厚さがあるため、阿蘇山の大規模な火砕流の堆積物と考えられる。

キーワード:
御船町七滝、松ノ生地区、阿蘇火砕流堆積物、御船層群、水越層、第四紀、白亜紀、ペルム紀