Presentation Information
[T1-P-13]Progress of hydrothermal alteration of ultramafic rocks in the Tosa Megamullion.
*Ryosuke Oyanagi1,2, Yasuhiko Ohara3,2,4 (1. Kokushikan University, 2. JAMSTEC, 3. Japan Coast Guard, 4. Nagoya University)
Keywords:
Serpentinization,Oceanic core complex
四国海盆の南西部および南部においては、海洋コアコンプレックスの存在が広く認められており、これらは総称して南海道メガムリオン群と呼ばれる。研究航海YK23-05Sでは、潜水調査船「しんかい6500」による潜航調査が実施され、南海道メガムリオン群を構成する岩石試料が採取された。とくに、3回の潜航(6K1676、6K1678、6K1679)は、同群の一部である土佐メガムリオンにおいて行われた。本研究では、土佐メガムリオンにおいて採取された超苦鉄質岩が被った変質作用の履歴を観察した。観察した19個の超苦鉄質岩のうち、15個が斜長石かんらん岩、4個がかんらん岩を源岩とする。変質作用の程度は全体的に80%以上と高いが、比較的低い(30%程度)試料も含む。滑石や角閃石(tremolite)の鉱物脈をしばしば伴う。蛇紋石はメッシュ組織を示し、主にlizarditeである。Antigoriteは現在のところ観察されていない。斜長石は概ねソーシュライト化しており、ハイドログロッシュラー成分あるいはアンドラダイト成分に富む柘榴石や緑泥石に置換されている。斜長石は、空隙を含まないものに加え、サブミクロンサイズの空隙を含むものがしばしば観察される。これらの斜長石は明確な組成差を示し、前者はややNa端成分に富み(XAb<0.10-0.24)、一方で後者はCa端成分に近い組成を示す(XAb<0.05)。角閃石は多くの場合輝石を置換して産する。角閃石の組成はtremolite, actinolite, magnesio-hornblende, edeniteに分類される。これらの特徴は、土佐メガムリオンの超苦鉄質岩が広い温度条件、かつ多様な化学組成をもつ流体と反応したことを示唆する。
