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[T4-O-14][Invited]Development of Experimental Facilities for Simulating the Martian Surface Environment and Future Research Perspectives
*Jun Kameda1, Trishit Ruj1 (1. Institute for Planetary Materials, Okayama University)
【ハイライト講演】 火星の温度・気圧・大気組成・湿度といった環境条件を再現できるスペースチャンバーや、低重力から過重力まで幅広い重力環境を再現可能な3軸クリノスタットなど、火星表層環境を地上で模擬可能な装置群の整備が講演者らによって進められている。本招待講演では、これらの設備の基本仕様や、今後これらの装置を活用して展開可能な研究の展望について紹介していただく。 ※ハイライト講演とは...
Keywords:
Mars,water,space chamber
近年、探査機による観測や火星隕石の分析を通じて、火星の表層環境に関する理解が着実に進んいる。たとえば、かつて火星には液体の水が存在していたこと、さらに現在も氷や水蒸気といった形で水が存在している可能性が高いことが明らかとなっている。こうした火星表層環境の理解は、将来的な火星の居住可能性を評価するうえでも極めて重要な課題である。
岡山大学惑星物質研究所では現在、火星表層環境を地上で模擬可能な装置群の整備を進めている。具体的には、火星の温度・気圧・大気組成・湿度といった環境条件を再現できるスペースチャンバーや、低重力から過重力まで幅広い重力環境を再現可能な3軸クリノスタットが含まれる。スペースチャンバーにはハイパースペクトルカメラが上部に設置されており、火星環境下における物質の分光特性を評価することが可能である。本装置は2025年10月末に導入予定であり、テスト運転を経たのち、国内外の研究者を対象とした共同利用設備として公開される計画である。
またこれに先立ち、3軸クリノスタット(松尾製作所)を2025年2月に導入した。本発表では、これらの設備の基本仕様に加え、発表者らが現在計画している研究テーマを含め、今後これらの装置を活用して展開可能な研究の展望について紹介する。
