Presentation Information
[T7-P-10]Lithofacies classification model from CT scan images using a 3D convolutional neural network
*Ryota KIKUCHI1, Hajime Naruse1 (1. Division of Earth and Planetary Sciences, Graduate School of Science, Kyoto University)
Keywords:
Deep Learning,3D convolutional neural network,X-ray CT Scan,Boring core
ボーリングコアの岩相記載は地質学的研究における基本的なプロセスであるが、研究者自身の経験に依存しやすく、時間的コストや主観性が課題となっている。こうしたプロセスの迅速化・客観化を目的として、近年ではAI技術、特に深層学習の応用が注目されている(Liu et al., 2023)。そこで,本研究では、コア内部の三次元構造を非破壊で可視化可能なX線CTスキャン画像に対して、3次元畳み込みニューラルネットワーク(3D-CNN)による岩相の自動判別モデルの構築を試みた。
研究手法は以下の通りである.まず,対象としたCT-DICOMデータ(約15000スライス、解像度:512×512ピクセル、スライス厚0.5 mm)に対して、塩ビパイプの領域の除去などの前処理を施し、ボーリングコアの3D画像データセットを作成した。教師データとしては、事前に作成された柱状図に基づき,(1)砂質層、(2)生物撹拌を受けた泥層,(3)均質な泥層の3種類の岩相ラベルを設定した.トレーニング画像に対して3D-CNNの学習を行い、次に学習済みモデルをテスト用3D画像データに適用して、判別結果を柱状図として出力した。
本研究で用いた3D-CNNは、入力として32×32×32ピクセルのCT画像パッチ(鉛直方向16 mm)を使用し、2層の3D畳み込み層(16→8フィルタ、いずれも3×3×3)および2層のMaxPooling層によって特徴抽出を行った。抽出された特徴ベクトルはFlatten→Dense層を経てSoftmax関数によって分類される構造をとる。
以上を用いた判別分析の結果、(1)の砂質層は(2)および(3)の泥層とよく区別されていた(accuracy=85.2%、precision=82.6%、recall=88.4%)のに対し,(2)生物撹拌を受けた泥層と(3)均質な泥層との間の判別精度は低かった(accuracy=33.1%)。学習済みモデルの性能を分析するため、t-SNE法によりCNNのエンコーダ部分の出力ベクトルを変換し,特徴空間の可視化を行った。その結果、やはり砂質層と泥質層はよく区別されており,CT画像のみを用いても主要な岩相を分類することのできる実用的なモデルの構築は十分に可能であることが示された。一方,2種類の泥層は,t-SNE特徴量空間の中で単一の大きなクラスタ内に混在していた。この結果は、両者が肉眼では識別可能であるにもかかわらず、CT画像上での特徴が類似していることを示唆している。
本研究は、3D-CNNを用いたCT画像解析が砂層と泥層の判別において非常に有効であることを実証するとともに、泥層からの情報の抽出には一層の工夫が必要であることを明らかにした。今後は,コア断面写真や化学組成測定結果などをCTスキャン画像データに追加し,統合的な分析によって岩相の自動判別手法の確立を試みる予定である。
研究手法は以下の通りである.まず,対象としたCT-DICOMデータ(約15000スライス、解像度:512×512ピクセル、スライス厚0.5 mm)に対して、塩ビパイプの領域の除去などの前処理を施し、ボーリングコアの3D画像データセットを作成した。教師データとしては、事前に作成された柱状図に基づき,(1)砂質層、(2)生物撹拌を受けた泥層,(3)均質な泥層の3種類の岩相ラベルを設定した.トレーニング画像に対して3D-CNNの学習を行い、次に学習済みモデルをテスト用3D画像データに適用して、判別結果を柱状図として出力した。
本研究で用いた3D-CNNは、入力として32×32×32ピクセルのCT画像パッチ(鉛直方向16 mm)を使用し、2層の3D畳み込み層(16→8フィルタ、いずれも3×3×3)および2層のMaxPooling層によって特徴抽出を行った。抽出された特徴ベクトルはFlatten→Dense層を経てSoftmax関数によって分類される構造をとる。
以上を用いた判別分析の結果、(1)の砂質層は(2)および(3)の泥層とよく区別されていた(accuracy=85.2%、precision=82.6%、recall=88.4%)のに対し,(2)生物撹拌を受けた泥層と(3)均質な泥層との間の判別精度は低かった(accuracy=33.1%)。学習済みモデルの性能を分析するため、t-SNE法によりCNNのエンコーダ部分の出力ベクトルを変換し,特徴空間の可視化を行った。その結果、やはり砂質層と泥質層はよく区別されており,CT画像のみを用いても主要な岩相を分類することのできる実用的なモデルの構築は十分に可能であることが示された。一方,2種類の泥層は,t-SNE特徴量空間の中で単一の大きなクラスタ内に混在していた。この結果は、両者が肉眼では識別可能であるにもかかわらず、CT画像上での特徴が類似していることを示唆している。
本研究は、3D-CNNを用いたCT画像解析が砂層と泥層の判別において非常に有効であることを実証するとともに、泥層からの情報の抽出には一層の工夫が必要であることを明らかにした。今後は,コア断面写真や化学組成測定結果などをCTスキャン画像データに追加し,統合的な分析によって岩相の自動判別手法の確立を試みる予定である。
