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[G-P-35]Paleomagnetic directions and intensities determined from the Aso-2/1 lavas: Application to constraining stratigraphic relationships and temporal intervals
*Nobutatsu MOCHIZUKI1, Miu HOKAMA1, Yuki ONISHI1, Satoko ISHIMARU1 (1. Kumamoto University)
Keywords:
Aso-2/1 lavas,Aso-2 pyroclastic flow deposit,paleomagnetic direction,paleomagnetic intensity,paleomagenteic secular variation
Aso-2/1溶岩は,Aso-1火砕流堆積物(266 ka)とAso-2火砕流堆積物(141 ka)の間に認められる溶岩の総称で,阿蘇カルデラ周辺の8つの地域(秋田,岩戸,瀬田裏,玉来川,砥川,的石,象ケ鼻,外牧)に分布している。本研究では象ケ鼻溶岩を除く7溶岩を採集し,古地磁気方位および古地磁気強度測定を行った。得られた古地磁気データは,典型的な古地磁気永年変化や標準的な古地磁気強度変動曲線を参照することで,Aso-2/1溶岩の層序関係とその時間スケールの制約を試みた。古地磁気方位測定としてはおもに段階交流消磁を適用した。古地磁気強度測定として綱川-ショー法を適用した。Aso-2/1溶岩の古地磁気データと既に報告されているAso-2火砕流堆積物のデータを組み合わせることで,新たに得られた主な知見を以下にまとめる。秋田溶岩・ 岩戸溶岩・ 瀬田裏溶岩は,露頭においてAso-2火砕流堆積物の直下に認められ,これらの3溶岩はAso-2の直前に形成されたとされてきたが,その時間間隙を古地磁気方位に基いて定量的に推定した。Aso-2の古地磁気方位と瀬田裏溶岩の古地磁気方位は20度異なる。永年変化の速度を0.06度/年と仮定することで,瀬田裏溶岩とAso-2には300年程度の時間間隙があったと推定した。一方,Aso-2と秋田溶岩・岩戸溶岩の古地磁気方位は区別できない。このことから,秋田溶岩と岩戸溶岩は,Aso-2の直前の数十年以内の期間に噴出したと制約できた。また,Aso-2/1溶岩およびAso-2から得られた古地磁気強度データを古地磁気強度変動曲線と比較し,形成年代の制約を試みた。秋田溶岩・岩戸溶岩・Aso-2の古地磁気強度データを古地磁気強度変動曲線と比較した結果,Iceland Basin Excursion(190 ka)の強度回復期に対比される可能性が示唆された。
