The 30th Annual Conference of Japan Academy of Learning Disabilities (KANAGAWA)

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Dec 10 - Dec 12, 2021Online *Streaming from Pacifico Yokohama
Japan Academy of Learning Disabilities
The 30th Annual Conference of Japan Academy of Learning Disabilities (KANAGAWA)

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[OS]子どもを育む遺伝の力・環境の力、そして代弁の力

〇高橋 孝雄1(1. 慶應義塾大学医学部 小児科学教室)
この講演では小児科医としての経験に基づき、発達障害に限らず、我々おとなが子どもたちのために何をすべきかお話しさせて頂きたいと思います。
自然科学としての小児科学は、人のからだが形作られる過程(成長)とそこに機能が宿る過程(発達)を科学し、それらの異常の原因を突き止め、治療法を開発、治療を行う科学です。そのような小児科学の使命を特徴づけているのが、遺伝の力を信じ、その力を子どもたちのために活用しようという意気込みです。
一方、社会科学としての小児科学は、子どもたちが、たとえそれが生まれつきのものであったとしても、環境要因によるものであったとしても、困難を克服し人として幸せな人生を手に入れることを最終目標としています。そのような小児科学の使命を特徴づけているのが、すべての子どもたちに寄り添い、子どもを取り巻くあらゆる環境をより良いものにするために力を尽くそうという意気込みです。
さて、全てのおとなは子どもの代弁者であるべきです。ここで言う代弁とは、目の前にいる子どもに傾聴し、彼らの思いを分かりやすく説得力のある言葉に翻訳することではないかと思います。現代社会は、子どもたちの苦しみ、喜び、寂しさ、迷い、あらゆる思いをくみ取る機会にあふれています。
発達障害に立ち向かう子どもたちは、いったい何が問題なのかを理解できないまま、そこにたたずんでいるのではないでしょうか。そのような子どもたちに手を差し伸べ、思いをくみ取って、「こういうことだね?」と寄り添い、その困難を代弁する。それが我々の仕事ではないでしょうか。

【略歴】
現職 慶應義塾大学医学部小児科学教室 主任教授

昭和57 年3 月 慶應義塾大学医学部卒業
昭和63 年9 月 米国ハーバード大学、マサチューセッツ総合病院小児神経科
平成 4 年6 月 ハーバード大学医学部、Instructor in Neurology
平成14 年4 月 慶應義塾大学教授(医学部小児科学)

《主な学会役員》
日本小児科学会 監事、前会長
国際小児神経学会 理事
日本小児神経学会 評議員、監事、前理事長
日本てんかん学会 評議員