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[CPGC-座長][Chair's Abstract] Progress report on clinical practice guidelines for the National Health Insurance.
*Hajime Minakuchi1, *Yoshizo Matsuka2 (1. Okayama University, 2. Tokushima University)
Keywords:
口腔内スキャナー印象とCAD/CAM冠,咬合感覚異常症,咀嚼障害診断樹
診療ガイドラインは,医療利用者と提供者の意思決定を支援するために,エビデンスを公平に抽出,評価し,益と害のバランスを勘案して,最適と考えられる推奨を提示するものである。また,エビデンスが確立していない場合には,現時点での最適と考えられる推奨を示す文書が臨床指針である。 そのため日本補綴歯科学会は,最新エビデンスや標準治療の周知を目的として積極的に診療ガイドラインを策定してきた。一方で,診療ガイドラインはこれらの役割に加えて,新しい医療技術,医療材料の保険収載を強力に後押しする有効なツールとして活用されている。これは,新規医療技術が保険収載に値するかどうかを判断する際,診療ガイドラインによるエビデンスの後ろ盾があることは,その妥当性を大きく担保することになるからである。すなわち新規医療技術の保険収載には,診療ガイドラインの存在が大変有利となる。そこで現在,本委員会では新規医療技術の保険収載を目標に,医療問題検討委員会と協働し,種々の診療ガイドライン,治療指針の策定に着手している。 今回,保険収載を目指している咀嚼障害診断樹,光学印象採得,CAD/CAM 冠,咬合違和感症候群について,覺道先生,西山先生,大倉先生,玉置先生にそれぞれ解説ならびに進捗状況をお話いただく予定である。本セミナーにより,これらのエビデンスを共有するとともに,会員の皆様の明日の診療・研究の参考になることを大いに期待する。またセミナーの際には,先生方からの奇譚のないご意見を多数お寄せ頂ければ幸いである。