Presentation Information
[ES1-1]Control of biological responses in peri-implant tissue - New therapeutic strategies through immunity, bone metabolism, and nano-materials-
*Takeru Kondo1 (1. Division of Molecular and Regenerative Prosthodontics, Tohoku University Graduate School of Dentistry)
インプラント埋入後,インプラント周囲にはマクロファージや好中球などの様々な免疫細胞が集積する.この免疫細胞が骨代謝を制御することは骨免疫として知られており,オッセオインテグレーション確立に深く関与する.インプラント周囲の骨形成にはインプラント表面に骨が添加する接触骨形成と埋入窩骨壁から新生骨が形成する遠距離骨形成の二種類がある.これまでのインプラント表面改質は主にインプラントに接触する骨形成細胞を活性化して,接触骨形成を促進することを目的としてきた.発表者らはインプラント表面性状が免疫細胞を介して,接触骨形成だけでなく,遠距離骨形成にも影響を与える可能性を報告した.そのため,免疫細胞を標的としたインプラント表面改質がオッセオインテグレーション獲得期間の短縮に貢献し,インプラント治療を次のステージに進める新たな鍵になると考えている.
インプラント周囲炎の発症にも骨免疫は大きく関与する.プラークが蓄積して免疫細胞が過度に活性化することで,インプラント周囲の炎症や骨吸収が生じる.発表者らはプラークに含まれる細菌由来のDNAがインプラント周囲炎の起点となる可能性を示した.現在,発表者らはこのプラークに含まれる細菌由来DNAを標的とした新たなインプラント周囲炎治療法の確立を目指して研究を進めている。
本講演を通して骨免疫に着目したオッセオインテグレーションやインプラント周囲炎の生物学的機序を理解していただき,歯科補綴学研究者が次世代のインプラント治療戦略を考える上でのヒントになれば幸いである.
インプラント周囲炎の発症にも骨免疫は大きく関与する.プラークが蓄積して免疫細胞が過度に活性化することで,インプラント周囲の炎症や骨吸収が生じる.発表者らはプラークに含まれる細菌由来のDNAがインプラント周囲炎の起点となる可能性を示した.現在,発表者らはこのプラークに含まれる細菌由来DNAを標的とした新たなインプラント周囲炎治療法の確立を目指して研究を進めている。
本講演を通して骨免疫に着目したオッセオインテグレーションやインプラント周囲炎の生物学的機序を理解していただき,歯科補綴学研究者が次世代のインプラント治療戦略を考える上でのヒントになれば幸いである.