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[P-7]Influence of the antagonist defect condition on the accuracy of interocclusal recording using an intraoral scanner

*Kotono Nagata1, Naoki Asanuma2, Yuko Watarai2, Tatsuhiro Suzuki1, Momoka Kawana1, Niitsuma Tomonori1, Fumi Mizuhasi1,2 (1. Functional Occlusal Treatment, The Nippon Dental University Graduate School of Life Dentistry at Niigata, 2. Department of Removable Prosthodontics, The Nippon Dental University School of Life Dentistry at Niigata)
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【目的】
 口腔内スキャナーを用いた咬合採得では,欠損歯数の増加が精度に影響を及ぼすことが報告されている1).一方で,対合歯の欠損状態が精度に与える影響については不明な点が多い.本研究では対合歯の欠損状態が口腔内スキャナーを用いた咬合採得に及ぼす影響について検討を行った.
【方法】
 本研究では有歯顎模型(H-117-CFU, H-117-CFL,Kulzer)の複製模型を製作し,歯肉相当部に基準点を付与した.設定位置は模型の歯冠近遠心幅径1/2,歯頸部から6.0㎜の歯肉相当部とした.平均値咬合器へ装着後,口腔内スキャナー(TORIOS3,3Shape)を用いて上下顎模型のスキャンを行い,咬合時の頰側面スキャンによる咬合採得を行った.模型の欠損条件は,片顎欠損では,欠損なし,下顎右側大臼歯欠損,下顎右側臼歯欠損とし, 上下顎欠損では,欠損なし,上下顎右側大臼歯欠損,上下顎右側臼歯欠損とした.得られた3Dデータを3D検査ソフトウェア(ZEISS INSPECT Optical 3D,ZEISS)に取り込み,基準点間の距離を測定した.欠損なしにおける基準点間距離からの変化率を算出し,下顎右側大臼歯欠損と上下顎右側大臼歯欠損および下顎右側臼歯と上下顎右側臼歯欠損それぞれの変化率の違いについて2標本のt検定を用いて分析した.
【結果と考察】
 右側第一大臼歯および右側第一小臼歯基準点間では下顎右側大臼歯欠損と比較し上下顎右側大臼歯欠損において,右側中切歯基準点間では下顎右側大臼歯欠損と比較し上下顎右側大臼歯欠損において,下顎右側臼歯欠損と比較し上下顎右側臼歯欠損において変化率が有意に小さい値となった(p < 0.05). これより上下顎欠損と比較し,片顎欠損において精度が低下する結果となった.これは,上下顎欠損では上下ともに欠損の無い残存歯が位置付けの基準となるが,片顎欠損では顎堤部が位置付けの基準となるため,精度が低下したと考えられる.
【参考文献】
1) Ren S, Morton D, Lin WS. Accuracy of virtual interocclusal records for partially edentulous patients. J Prosthet Dent 2020;123(6):860-865.