Presentation Information
[P-107]Relationship between bite force measurement with new JMS bite force meter and awareness of difficulty in chewing food.
*Yurino Abe1, Satoko takeuchi1, Chisato Ishida1, Kotaro Kibi1, Tamaki Hirano1, Yutaro Muto1, Ayaka Kimura1, Tomoaki Mameno1, Masahiro Wada1, Kazunori Ikebe1 (1. Department of Removable Prosthodontics and Gerodontology, The University of Osaka Graduate School of DDentistry)
【目的】
咬合力は,良好な咀嚼機能の維持のみならず,健康長寿に影響を及ぼす栄養摂取にも関連していることが知られている.しかし,小型であり測定が容易な新規の咬合力計(JMS咬合力計,株式会社JMS,広島)による咬合力測定と食品摂取の関連を検討した報告はない.そこで,本研究では,JMS咬合力計を用いて両側第一大臼歯部で測定した最大咬合力と食品のかみにくさの自覚との関連を検討することを目的とした.
【方法】
本研究は,50歳以上の地域住民を対象とした.なお,第一大臼歯部が可撤性義歯である場合は,人工歯部で最大咬合力を測定し,大臼歯部が欠損し,かつ補綴歯科治療がなされていない場合は対象から除外した.食品摂取の主観的評価には,ごはん,リンゴ,牛肉,堅焼きせんべいについて,「食べたことがない」「嫌いだから食べない」「食べられない」「困難だが食べられる」「小さくすれば食べられる」「普通に食べられる」の6件法にて回答を得た.「食べたことがない」,「嫌いだから食べない」を除外し,食品のかみにくさ自覚を2群化(自覚あり:「食べられない」「困難だが食べられる」「小さくすれば食べられる」,自覚なし:「普通に食べられる」)に分類した.各摂取食品について,それぞれの群の最大咬合力をMann-WhitneyのU検定を用いて比較した.統計学的有意水準は5%とした.なお,本研究は,大阪大学大学院歯学研究科・歯学部及び歯学部附属病院倫理審査委員会の承認を得て実施した(R4-E7).
【結果と考察】
対象者は189名(男性64名,女性125名,平均年齢76.4歳)であった.食品ごとのかみにくさを自覚する者は,ごはん3名(1.5%),リンゴ29名(15.3%),牛肉23名(12.2%),堅焼きせんべい127名(67.2%)であった.食品ごとの自覚あり群,および自覚なし群のそれぞれの最大咬合力の平均は,ごはん(107.5N,240.8N),りんご(151.0N,262.0N),牛肉(143.5N,246.5N),堅焼きせんべい(183.3N,278.5N)であり,ごはんを除き2群間に有意な差を認めた.
本研究により,食品のかみにくさを自覚する者は,JMS咬合力計により測定した最大咬合力が低いことが明らかとなった.したがって,本機器の利用は,簡便な咬合力測定のみならず,食品摂取の多様性の推察に有効である可能性が示された.
咬合力は,良好な咀嚼機能の維持のみならず,健康長寿に影響を及ぼす栄養摂取にも関連していることが知られている.しかし,小型であり測定が容易な新規の咬合力計(JMS咬合力計,株式会社JMS,広島)による咬合力測定と食品摂取の関連を検討した報告はない.そこで,本研究では,JMS咬合力計を用いて両側第一大臼歯部で測定した最大咬合力と食品のかみにくさの自覚との関連を検討することを目的とした.
【方法】
本研究は,50歳以上の地域住民を対象とした.なお,第一大臼歯部が可撤性義歯である場合は,人工歯部で最大咬合力を測定し,大臼歯部が欠損し,かつ補綴歯科治療がなされていない場合は対象から除外した.食品摂取の主観的評価には,ごはん,リンゴ,牛肉,堅焼きせんべいについて,「食べたことがない」「嫌いだから食べない」「食べられない」「困難だが食べられる」「小さくすれば食べられる」「普通に食べられる」の6件法にて回答を得た.「食べたことがない」,「嫌いだから食べない」を除外し,食品のかみにくさ自覚を2群化(自覚あり:「食べられない」「困難だが食べられる」「小さくすれば食べられる」,自覚なし:「普通に食べられる」)に分類した.各摂取食品について,それぞれの群の最大咬合力をMann-WhitneyのU検定を用いて比較した.統計学的有意水準は5%とした.なお,本研究は,大阪大学大学院歯学研究科・歯学部及び歯学部附属病院倫理審査委員会の承認を得て実施した(R4-E7).
【結果と考察】
対象者は189名(男性64名,女性125名,平均年齢76.4歳)であった.食品ごとのかみにくさを自覚する者は,ごはん3名(1.5%),リンゴ29名(15.3%),牛肉23名(12.2%),堅焼きせんべい127名(67.2%)であった.食品ごとの自覚あり群,および自覚なし群のそれぞれの最大咬合力の平均は,ごはん(107.5N,240.8N),りんご(151.0N,262.0N),牛肉(143.5N,246.5N),堅焼きせんべい(183.3N,278.5N)であり,ごはんを除き2群間に有意な差を認めた.
本研究により,食品のかみにくさを自覚する者は,JMS咬合力計により測定した最大咬合力が低いことが明らかとなった.したがって,本機器の利用は,簡便な咬合力測定のみならず,食品摂取の多様性の推察に有効である可能性が示された.