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[P-113]The importance of tongue pressure management for preventing sarcopenia and frailty - From a study on the relationship between oral function and these diseases -

*Seiya Tozawa1, Ysuhiro Nishi1, Nao Ikeda1, Tomoaki Sakurai2, Haruka Miyata1, Fumio Suehiro2, Yurika Ooura1, Mamoru Murakami2, Yuhei Yamada1, Naohiro Komabashiri1, Reiya Horinouti1 (1. Department of Oral and Maxillofacial Prosthodontics, Graduate School of Medical and Dental Sciences, Kagoshima University, 2. Department of Removable Prosthodontics and Implant Dentistry, Advanced Dentistry Center, Kagoshima University Hospital)
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【目的】
 サルコペニアやフレイルに至る過程で口腔機能の低下も伴うといわれているが,これらの関連は十分明らかにされていない.このため,当科では外来患者における口腔機能低下症の各検査とともにサルコペニアとフレイルの評価を行ってきている.今回,これまでの評価データから口腔機能とサルコペニアならびにフレイルの関連について横断的に検討した.
【方法】
 2020年2月から2024年7月までの当科外来患者で本研究に同意した348名(平均76.8±7.0歳)を対象とした.(鹿児島大学疫学研究等倫理委員会190165疫)口腔機能の検査は,口腔機能低下症の代替検査を含めた各種検査を行い,サルコペニアとフレイルは,それぞれAWGS2019,J-CHS基準を基に評価し,各口腔機能検査間における関連と各口腔機能とサルコペニア,フレイルの関連について検討した.統計は,相関分析,Kruskal-Wallis test,単変量および多変量の2項ロジスティック解析, ROC解析を行った.
【結果】
 各口腔機能検査間の関連については,グルコセンサー値,プレスケール値,残存歯数,咀嚼能力スコア,EAT-10,聖隷式嚥下質問のそれぞれ相互間における相関が有意に高かった(全てr=0.4以上 p<0.001).サルコペニアならびにフレイルの該当の有無を従属変数とした2項ロジスティック解析において,各口腔機能検査を独立変数とした単変量解析ではプレスケール値,グルコセンサー値はサルコペニアのみに有意に関連し,舌圧,咀嚼能力スコア,EAT-10,聖隷式嚥下質問は,サルコペニアとフレイルの両方に有意に関連した.これら有意な口腔機能検査項目を独立変数とした多変量解析(性別と年齢を調整)では,サルコペニアとフレイル両者ともに舌圧のみが有意に関連した(p<0.001).さらに,舌圧に対するサルコペニアならびにフレイルの該当についてのROC解析を行うと,Youden指数からの舌圧カットオフ値は,それぞれ28.45kPa,26.85kPaであった.
【考察】
 口腔機能の中では咬合力と咀嚼と嚥下の機能が相互に関連しこれらが舌圧とともにサルコペニアとフレイルに関連したが,最も強く関連するのは舌圧であることが明らかとなったことから,サルコペニアとフレイルを予防するうえで歯科での舌圧の管理が重要であることが示唆された.