Presentation Information
[P-125]Practice program for impairment for lingual action and palatal autmentation prosthesis using mouthpiece
*Ayaka Yasuno1, Kazuhiro Murakami1, Haruka Nakada1, Min Thu Ya1, Natsuki Kishimoto1, Takatoshi Iida2, Kazuhiro Hori1 (1. Division of Comprehensive Prosthodontics, Niigata University Faculty of Dentistry & Graduate School of Medical and Dental Sciences, Japan , 2. Division of Dysphagia Rehabilitation, Department of Human Biology and Pathophysiology, School of Dentistry, Health Sciences University of Hokkaido)
【目的】
舌接触補助床(PAP)は歯科補綴学と摂食嚥下リハビリテーション学の両分野にまたがる重要な補綴装置であるが,PAPについての教育体系は具体的に構築されていない.そこで我々は,健常者が舌運動障害を疑似体験することのできる舌運動障害体験用マウスピース(Mouthpiece as Impairment Similar for Lingual Action;MISLA)1)をPAPの体験実習に取り入れることで,舌機能障害やその治療法としてのPAPの理解を深めることができるのではないかと考えた.本研究の目的は,構築したPAP体験実習を歯学生に行うことで,舌機能障害やPAPを用いた治療法に関する理解度が向上するかを検討することである.
【方法】
新潟大学歯学部歯学科5年生38名を対象とし,臨床予備実習にてPAP体験実習を実施した.事前準備として,相互実習中に口腔内スキャナー(TRIOS 3,3 shape,デンマーク)を用いて対象者の上顎歯列および口蓋の印象を採得させた.CADソフトウェア(S-Waveデンタルシステム,松風,日本)にて,臼歯および口蓋を覆うプレートと,左右の小臼歯間および大臼歯間を横断する2本の阻害子が一体となるMISLAを設計し,3Dプリンタにて製作した.PAP体験実習は120分実施した.実習は,2人1組となりMISLAを装着させて舌運動障害を体験させ,相互に嚥下機能評価と構音機能評価を実施させた.次に,ソフトワックスを用いて阻害子とプレート間の間隙を埋めてPAP形態とし,同様の評価を再度実施し,PAPの装着効果を体験させた.実習前後のアンケートで舌運動障害やPAPに関する理解度を4段階で評価し,実習前後の理解度の違いをWilcoxonの符号付き順位検定を用いて比較した.有意水準は5%とした.
【結果と考察】
PAP体験実習後の舌運動障害についての理解度,PAPが舌運動障害にもたらす効果についての理解度は実習前よりも有意に高い値を示した.歯学生に舌運動障害やPAPを疑似的に体験させ,相互での機能評価により嚥下機能や構音機能の回復を実感させることで,舌運動障害やPAPを用いた治療法に関する理解を深めることができることが示唆された.
【参考文献】
1) 飯田貴俊, 辰野雄一, 西崎仁美ほか.口腔期摂食嚥下障害体験学習のための舌運動障害体験用マウスピースの開発.神奈川歯学 2020;55-2:106-112.
舌接触補助床(PAP)は歯科補綴学と摂食嚥下リハビリテーション学の両分野にまたがる重要な補綴装置であるが,PAPについての教育体系は具体的に構築されていない.そこで我々は,健常者が舌運動障害を疑似体験することのできる舌運動障害体験用マウスピース(Mouthpiece as Impairment Similar for Lingual Action;MISLA)1)をPAPの体験実習に取り入れることで,舌機能障害やその治療法としてのPAPの理解を深めることができるのではないかと考えた.本研究の目的は,構築したPAP体験実習を歯学生に行うことで,舌機能障害やPAPを用いた治療法に関する理解度が向上するかを検討することである.
【方法】
新潟大学歯学部歯学科5年生38名を対象とし,臨床予備実習にてPAP体験実習を実施した.事前準備として,相互実習中に口腔内スキャナー(TRIOS 3,3 shape,デンマーク)を用いて対象者の上顎歯列および口蓋の印象を採得させた.CADソフトウェア(S-Waveデンタルシステム,松風,日本)にて,臼歯および口蓋を覆うプレートと,左右の小臼歯間および大臼歯間を横断する2本の阻害子が一体となるMISLAを設計し,3Dプリンタにて製作した.PAP体験実習は120分実施した.実習は,2人1組となりMISLAを装着させて舌運動障害を体験させ,相互に嚥下機能評価と構音機能評価を実施させた.次に,ソフトワックスを用いて阻害子とプレート間の間隙を埋めてPAP形態とし,同様の評価を再度実施し,PAPの装着効果を体験させた.実習前後のアンケートで舌運動障害やPAPに関する理解度を4段階で評価し,実習前後の理解度の違いをWilcoxonの符号付き順位検定を用いて比較した.有意水準は5%とした.
【結果と考察】
PAP体験実習後の舌運動障害についての理解度,PAPが舌運動障害にもたらす効果についての理解度は実習前よりも有意に高い値を示した.歯学生に舌運動障害やPAPを疑似的に体験させ,相互での機能評価により嚥下機能や構音機能の回復を実感させることで,舌運動障害やPAPを用いた治療法に関する理解を深めることができることが示唆された.
【参考文献】
1) 飯田貴俊, 辰野雄一, 西崎仁美ほか.口腔期摂食嚥下障害体験学習のための舌運動障害体験用マウスピースの開発.神奈川歯学 2020;55-2:106-112.