Presentation Information
[P-145]Case of prosthetic restoration for missing teeth by junior dentists aspiring to be prosthodontic specialists 2nd report
*Mineyo Sone1, Yuuta Kuroki1, Daiki Negishi1, Ryou Saito1, Tasturou Takeda1, Masahumi Amagai1, Ami Kasumizawa1, Miina Ueyama1, Shigenori Utida1, Fumiko Narumi1, Kazuhiko Okamoto1 (1. Division of Removable Prosthodontics, Department of Restorative and Biomaterials Sciences, Meikai University School of Dentistry)
【緒言】
本学附属病院歯科補綴科は日本歯科専門医機構認定の補綴歯科専門医認定研修機関であり,若手歯科医師が多く在籍している.そのため,症例報告を研修プログラムの一環として開催している.今回は2名の若手歯科医師が経験した欠損補綴症例について報告する.
【症例の概要・治療内容】
症例1
患者は86歳の女性で,咀嚼困難を主訴に来院した.上顎前歯部は他院にてテンポラリークラウンが装着されており,遊離端欠損部に部分床義歯が装着されていたが,支台装置の破損が認められた.また,下顎には磁性アタッチメントを支台装置としたオーバーデンチャーが装着されていたが,義歯床粘膜面に不適合が認められた.以上より,義歯不適合による咀嚼障害と診断し,治療計画として上顎前歯部に対して歯冠補綴を行った後,上下顎義歯を再製作することを提案し,患者の同意を得た.最終補綴装置は,上顎に対して硬質レジン前装冠を用いた連結冠ならびに部分床義歯を装着し,下顎に対しては旧義歯と同様にオーバーデンチャーを製作した.なお,義歯製作時の顎間関係の記録にはゴシックアーチ描記法を応用して行った.
症例2
患者は68歳男性.上下顎全部床義歯の維持不良による咀嚼困難を主訴に来院した.口腔内所見として上顎にフラビーガム,下顎前歯部には顕著な顎堤吸収を認めた.使用中の義歯は著しい人工歯の咬耗を認め,それによる下顎位の変化が疑われた.また,側貌からは上顎前突が疑われた.以上より,義歯不適合による咀嚼障害と診断し,治療計画として新義歯製作を提案し,患者の同意を得た.まず補綴前処置として,現義歯に対して咬合面再形成を行うとともに,義歯床辺縁の形態を調整し,維持,安定が図れたため,最終補綴装置の製作に移行した.印象採得には,現義歯の複製義歯を用いて咬合圧印象を行い,その後の水平的顎間関係の記録にはゴシックアーチ描記法を応用した.なお,本発表に際して2症例共に患者の同意を得た.
【経過ならびに考察】
症例1・2
グミゼリーによる咀嚼機能検査を用いて咀嚼障害の治療効果を定量化したところ,旧義歯と比較して治療後に改善が認められた.
補綴歯科専門医を目指す若手歯科医師にとって,適切な検査,診断に基づく補綴歯科治療を行う事は重要である.また,その補綴装置の形態と機能を維持,管理する知識と技能の追求も必要である.今後も指導を続けていきたいと考える.
本学附属病院歯科補綴科は日本歯科専門医機構認定の補綴歯科専門医認定研修機関であり,若手歯科医師が多く在籍している.そのため,症例報告を研修プログラムの一環として開催している.今回は2名の若手歯科医師が経験した欠損補綴症例について報告する.
【症例の概要・治療内容】
症例1
患者は86歳の女性で,咀嚼困難を主訴に来院した.上顎前歯部は他院にてテンポラリークラウンが装着されており,遊離端欠損部に部分床義歯が装着されていたが,支台装置の破損が認められた.また,下顎には磁性アタッチメントを支台装置としたオーバーデンチャーが装着されていたが,義歯床粘膜面に不適合が認められた.以上より,義歯不適合による咀嚼障害と診断し,治療計画として上顎前歯部に対して歯冠補綴を行った後,上下顎義歯を再製作することを提案し,患者の同意を得た.最終補綴装置は,上顎に対して硬質レジン前装冠を用いた連結冠ならびに部分床義歯を装着し,下顎に対しては旧義歯と同様にオーバーデンチャーを製作した.なお,義歯製作時の顎間関係の記録にはゴシックアーチ描記法を応用して行った.
症例2
患者は68歳男性.上下顎全部床義歯の維持不良による咀嚼困難を主訴に来院した.口腔内所見として上顎にフラビーガム,下顎前歯部には顕著な顎堤吸収を認めた.使用中の義歯は著しい人工歯の咬耗を認め,それによる下顎位の変化が疑われた.また,側貌からは上顎前突が疑われた.以上より,義歯不適合による咀嚼障害と診断し,治療計画として新義歯製作を提案し,患者の同意を得た.まず補綴前処置として,現義歯に対して咬合面再形成を行うとともに,義歯床辺縁の形態を調整し,維持,安定が図れたため,最終補綴装置の製作に移行した.印象採得には,現義歯の複製義歯を用いて咬合圧印象を行い,その後の水平的顎間関係の記録にはゴシックアーチ描記法を応用した.なお,本発表に際して2症例共に患者の同意を得た.
【経過ならびに考察】
症例1・2
グミゼリーによる咀嚼機能検査を用いて咀嚼障害の治療効果を定量化したところ,旧義歯と比較して治療後に改善が認められた.
補綴歯科専門医を目指す若手歯科医師にとって,適切な検査,診断に基づく補綴歯科治療を行う事は重要である.また,その補綴装置の形態と機能を維持,管理する知識と技能の追求も必要である.今後も指導を続けていきたいと考える.