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[P-146]A case of a periodontal patient with shortened clinical roots receiving a connected fixed prosthesis

*takamasa oyagi1, Shunsuke Nagata2, asako suzuki3 (1. west kanto, 2. Department of Dental Biomaterials, Nihon University School of Dentistry at Matsudo, 3. Department of Removable Prosthodontics and Geriatric Oral Health Nihon University School of Dentistry at Matsudo)
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【緒言】
 重度慢性歯周炎に罹患した歯は,支持歯槽骨が減少し2次性咬合性外傷による咀嚼障害を伴う事を多く経験する.今回、歯周治療後に臨床的歯根長さが短くなった患者に連結固定性補綴物を適応した症例を提示する.
【症例の概要・治療内容】
 患者:患者:72歳女性.初診:2013年8月.主訴:左下が取れた.全身的既往歴:特記事項なし.喫煙歴なし.喫煙歴なし 口腔内所見:17 11 27 31 41欠損,上顎は15から25にブリッジ,下顎は33から43にブリッジが装着されていた.ブラッシングは不良で辺縁歯肉に発赤腫脹,歯肉縁上縁下に多量の歯石沈着を認めた.また,カリエスによる歯冠崩壊を16 35 37に認めた.歯周組織検査からPPD4~5㎜23%,6㎜以上50%,BOP92%で全顎的に1度から3度の動揺を認めた.デンタルX線所見:全顎に著しい水平性骨吸収を認め,ほぼ全ての部位で支持歯槽骨は2分の1吸収,36遠心には根尖に及ぶ垂直性骨吸収,46 47舌側に根分岐部病変ClassⅠ,23の水平埋伏を認めた.
 歯周基本治療と同時に咬合性外傷への対応を行い歯周組織の改善と共に動揺度の軽減を認めた.非機能歯であった47を17部へ歯牙移植,36遠心の歯周組織再生療法,埋伏13をMTMなどを行い臨床歯根の短くなった歯の動揺を収束させるために積極的に治療を行った.動揺度の残った歯に対しては,プロビジョナルレストレーションにて連結範囲の検証を行った.再評価の結果として17から26を連結固定性補綴(移植歯17はkey and key way),35 36の連結固定性補綴,33から46を連結固定性補綴を行い2018年6月にSPT移行した.
【経過ならびに考察】
 本症例は、臨床歯根が短く動揺を収束させるために連結固定を行い,患者の咀嚼機能を回復させた.また,患者が義歯ならびにインプラント治療を拒んだことも連結固定性補綴を選択した一因となった.初診から11年経過したが,今後も咬合性外傷ならびに歯周炎の定期管理が必要であると考えている.
【参考文献】
1)S Nyman, J Lindhe, D Lundgren. The role of occlusion for the stability of fixed bridges in patients with reduced. J Clin Periodontol 1975;2(2):53-66.