Presentation Information

[P-22]Examining the simplification of the comfortable zone method
: the influence of session reduction

*Asako Suzuki1, Yutaka Kurata1, Toshikazu Miura2, Takumi Tsuchida1, Koji Takano1, Hiroki Nakajima1, Kentaro Igarashi1, Masayasu Ito1, Yasuhiko Kawai1 (1. Department of Removable Prosthodontics and Geriatric Oral Health, Nihon University School of Dentistry at Matsudo, 2. Nihon University Graduate School of Dentistry at Matsudo, Removable Prosthodontics)
PDF DownloadDownload PDF
【目的】
 補綴歯科治療は咀嚼と嚥下の回復と維持に重要で,特に全部床義歯では嚥下を考慮した決定方法が求められるが,関連する舌圧を基準に検討した咬合高径決定法の報告は少ない.そこで,我々は先行研究で快適咬合域(以下,COZ)と最適位(以下,MCP)を応用したComfortable zone法(以下,CZ法)を用いて,咬合高径の増減と舌圧の関連性を明らかにした1).また,各11段階の咬合高径においてタッピングを10回した上での『快適性』の聴取を,10セッション(以下,10S)繰り返すCZ法の再現性を検討したものの,患者の負担が大きく,疲労による知覚能力の低下による『快適性』への影響が危惧された.
 そこで本報告では,10Sと5セッション(以下,5S)で行ったMCPおよびCOZの変動を比較し負担軽減が及ぼす影響を検討した.
【方法】
 参加者は5S群5名(M/F:2/3, 81.0 ± 6.4歳),10S群6名(M/F:5/1, 74.3 ± 7.5歳)の全部床義歯装着者とした.
1.MCP,COZ測定
 CZ法に従い中心咬合位より-4mmから+6mmまで11段階に咬合高径を増減し,タッピング後の『快適性』を聴取した.これを5Sまたは10S行いMCP,COZを算出した.
2.セッション数によるMCP,COZの比較
 MCPとCOZの変動係数(以下,CV)を比較した.また5Sと10Sの MCP,COZをt検定で比較した.
【結果と考察】
 MCPのCVは5S(2.4),10S(-4.4)と大きな変動を示した.これはMCPが現義歯の咬合高径との差として評価される個体差によるものと考えられた.COZのCVはS5(0.3),S10(0.4)と,MCPと比較して小さく,より安定していることが示された.5Sと10Sの比較はMCP(p = 0.38),COZ(p = 0.25)となり有意差を認めなかったため,5Sに減少しても10S同様の結果が得られることが示唆された.今後は参加者数を増加し同等性検定を行う.
【文献】
1)Kurata Y, Nagata S, Suzuki A, et al. Relationship between Occlusal Vertical Dimension and Tongue Pressure in Complete Denture Wearers. IJOMS 2023; 21: 183-190.