Presentation Information
[P-27]Evaluation of fatigue strength of Co-Cr alloys applied to CAD/CAM fabricated partial denture frameworks
*Nanami Asai1, Akinori Tasaka1, Kosei Ito1, Haruna Okano1, Shinji Takemoto2, Shuichiro Yamashita1 (1. Department of Removable Partial Prosthodontics, Tokyo Dental College, 2. Department of Biomedical Engineering, Iwate Medical University)
【目的】
CAD-CAM技術の発展により,金属積層造形および切削加工での局部床義歯(RPD)フレームワークの製作が可能となった.フレームワークに使用されるコバルトクロム(Co-Cr)合金は製作方法により引張強さや曲げ強さが異なると報告されているが,動的試験による疲労強さについては明らかになっていない.本研究では,CAD-CAM技術で製作したCo-Cr合金製RPDフレームワークの耐久性を明らかにするために,金属積層造形および切削加工で製作したCo-Cr合金製試験片の疲労強さを鋳造体と比較検討することを目的とした.
【方法】
Co-Cr合金製試験片は,以下の3条件;①SLM:Co-Cr合金粉末を金属光造形複合加工機で造形,②MIL:Co-Cr合金ディスクをミリングマシンで切削加工,③CAST:Co-Cr合金インゴットを高周波遠心鋳造機で鋳造,で製作した.製作した試験片は自動研磨機で研磨した.疲労試験の初期荷重と階差を決定するため,万能材料試験機で3点曲げ試験を行い,0.2%曲げ耐力を求めた(各条件N=6).疲労試験はステアケース法により,疲労試験機を用いて37 ℃水中にて10⁶回負荷する条件で算出した(各条件N=10).試験後の変形部を走査型電子顕微鏡(SEM)および電子プローブマイクロアナライザー(EPMA)で観察した.統計分析は、各条件間の機械的特性値について一元配置分散分析後,Tukeyを行った(α=0.05).
【結果と考察】
0.2%曲げ耐力(平均値±標準偏差)は,SLMで1,462±43 MPa, MILで671±33 MPa,CASTで1,160±56 MPaを示し,3条件間に統計学的有意差を認めた(p<0.05).疲労強さは,SLMで785 MPa,MILで502 MPa,CASTで477 MPaであった.SLMでは,造形方向に対して平行に荷重を負荷したため,0.2%曲げ耐力と疲労強さが共に高い値を示したと考察される.SEMにおいて,SLMおよびMILでは高倍率で延性的ストライエーションが観察され,CASTの破断面では粒界破壊が観察された.EPMAでは,MILおよびCASTで偏析を認めた.以上のことから,金属積層造形で製作したCo-Cr合金製RPDフレームワークは切削加工および鋳造と比較して疲労強さに優れる可能性が示唆された.
CAD-CAM技術の発展により,金属積層造形および切削加工での局部床義歯(RPD)フレームワークの製作が可能となった.フレームワークに使用されるコバルトクロム(Co-Cr)合金は製作方法により引張強さや曲げ強さが異なると報告されているが,動的試験による疲労強さについては明らかになっていない.本研究では,CAD-CAM技術で製作したCo-Cr合金製RPDフレームワークの耐久性を明らかにするために,金属積層造形および切削加工で製作したCo-Cr合金製試験片の疲労強さを鋳造体と比較検討することを目的とした.
【方法】
Co-Cr合金製試験片は,以下の3条件;①SLM:Co-Cr合金粉末を金属光造形複合加工機で造形,②MIL:Co-Cr合金ディスクをミリングマシンで切削加工,③CAST:Co-Cr合金インゴットを高周波遠心鋳造機で鋳造,で製作した.製作した試験片は自動研磨機で研磨した.疲労試験の初期荷重と階差を決定するため,万能材料試験機で3点曲げ試験を行い,0.2%曲げ耐力を求めた(各条件N=6).疲労試験はステアケース法により,疲労試験機を用いて37 ℃水中にて10⁶回負荷する条件で算出した(各条件N=10).試験後の変形部を走査型電子顕微鏡(SEM)および電子プローブマイクロアナライザー(EPMA)で観察した.統計分析は、各条件間の機械的特性値について一元配置分散分析後,Tukeyを行った(α=0.05).
【結果と考察】
0.2%曲げ耐力(平均値±標準偏差)は,SLMで1,462±43 MPa, MILで671±33 MPa,CASTで1,160±56 MPaを示し,3条件間に統計学的有意差を認めた(p<0.05).疲労強さは,SLMで785 MPa,MILで502 MPa,CASTで477 MPaであった.SLMでは,造形方向に対して平行に荷重を負荷したため,0.2%曲げ耐力と疲労強さが共に高い値を示したと考察される.SEMにおいて,SLMおよびMILでは高倍率で延性的ストライエーションが観察され,CASTの破断面では粒界破壊が観察された.EPMAでは,MILおよびCASTで偏析を認めた.以上のことから,金属積層造形で製作したCo-Cr合金製RPDフレームワークは切削加工および鋳造と比較して疲労強さに優れる可能性が示唆された.