Presentation Information
[P-50]A study on bond strength of PEEK with sand blasting and adhesive primer pretreatment
*Makoto Matsugishi1, Masao Irie2, Yukinori Maruo3, Mai Yoshizane1, Kumiko Yoshihara4, Noriyuki Nagaoka5, Takuya Matsumoto2, Kentaro Akiyama1 (1. Department of Occlusal and Oral Functional Rehabilitation, Okayama University Graduate School of Medicine, Dentistry, and Pharmaceutical Sciences, 2. Department of Biomaterials, Faculty of Medicine, Dentistry and Pharmaceutical Sciences, Okayama University, 3. Department of Prosthodontics, Division of Dentistry, Okayama University Hospital, 4. Health and Medical Research Institute, National Institute of Advanced Industrial Science and Technology (AIST), 5. Advanced Research Center for Oral and Craniofacial Sciences, Okayama University Dental School)
【目的】
PEEKは大臼歯のCAD/CAM冠が保険収載されるなど,広く臨床応用されるようになってきた.しかし,ハイブリッドレジン材料とは異なる素材であり,その理工学的性質や接着特性については不明な点が多い.そこで,PEEK(Shofu Block PEEK,Shofu)への表面処理方法としてのサンドブラスト(SB)処理圧とプライマー処理がせん断接着強さに与える影響について検討した.
【方法】
SB処理圧を0.2,0.3,0.35,0.4MPaとし,プライマー処理は,G-Multi Primer (GP,GC)とCerasmart COAT (CC,GC)を用いた.表面処理後の被着面上にレジンセメント(G-Cem ONE EM, GC)を用いてステンレスロッドを接着させた.1日間37℃蒸留水中に浸漬後,せん断接着強さを測定した.PEEK被着面の研磨を異なる粗さの耐水研磨紙(#60, #120, #240, #320, #400, #600)で行った場合も同様にせん断接着を測定した.得られた結果は2元配置分散分析とTukey法を用いて統計処理を行った.
【結果と考察】
GPを使用した場合(図1)は,SB処理圧が0.3,0.35と0.4 MPa間には処理圧による有意差を示さなかったが,処理圧0.2 MPaとの間に有意差を示した.
CCの場合もGPと同様の傾向を示し,SB処理圧が0.3,0.35,0.4 MPaの間は有意差がなかったが,0.2 MPaとの間に有意差を示した.SB処理圧0.2 MPaのCCではGPに比べて有意に高い値であった.他の処理圧でもGPよりもCCの方が効果が高い傾向であった.
研磨紙の粗さ(図2)については,GPのせん断接着強さは,#60が最も高い値を示し,#400との間に有意差を示したが,その他には有意差は見られなかった.
CCでは,GPと同様に#60が最も高い値を示し,GPに比較すると有意に高い値であった.また,#600では最も低い値であったが,#60研磨のGPとの間には有意差を示さなかった.
以上から,PEEKへのSBとGPあるいはCCによる表面処理はいずれもレジンセメントとの接着には有効であり,GPに比べてCCの方が効果が高いことが示唆された.
PEEKは大臼歯のCAD/CAM冠が保険収載されるなど,広く臨床応用されるようになってきた.しかし,ハイブリッドレジン材料とは異なる素材であり,その理工学的性質や接着特性については不明な点が多い.そこで,PEEK(Shofu Block PEEK,Shofu)への表面処理方法としてのサンドブラスト(SB)処理圧とプライマー処理がせん断接着強さに与える影響について検討した.
【方法】
SB処理圧を0.2,0.3,0.35,0.4MPaとし,プライマー処理は,G-Multi Primer (GP,GC)とCerasmart COAT (CC,GC)を用いた.表面処理後の被着面上にレジンセメント(G-Cem ONE EM, GC)を用いてステンレスロッドを接着させた.1日間37℃蒸留水中に浸漬後,せん断接着強さを測定した.PEEK被着面の研磨を異なる粗さの耐水研磨紙(#60, #120, #240, #320, #400, #600)で行った場合も同様にせん断接着を測定した.得られた結果は2元配置分散分析とTukey法を用いて統計処理を行った.
【結果と考察】
GPを使用した場合(図1)は,SB処理圧が0.3,0.35と0.4 MPa間には処理圧による有意差を示さなかったが,処理圧0.2 MPaとの間に有意差を示した.
CCの場合もGPと同様の傾向を示し,SB処理圧が0.3,0.35,0.4 MPaの間は有意差がなかったが,0.2 MPaとの間に有意差を示した.SB処理圧0.2 MPaのCCではGPに比べて有意に高い値であった.他の処理圧でもGPよりもCCの方が効果が高い傾向であった.
研磨紙の粗さ(図2)については,GPのせん断接着強さは,#60が最も高い値を示し,#400との間に有意差を示したが,その他には有意差は見られなかった.
CCでは,GPと同様に#60が最も高い値を示し,GPに比較すると有意に高い値であった.また,#600では最も低い値であったが,#60研磨のGPとの間には有意差を示さなかった.
以上から,PEEKへのSBとGPあるいはCCによる表面処理はいずれもレジンセメントとの接着には有効であり,GPに比べてCCの方が効果が高いことが示唆された.