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[P-51]Development of evaluation method for accuracy of discrimination between all ceramic crown and natural teeth using neural networks

*Yoshinori Nishida1, Ichizo Morita2, Seiichiro Takami2, Yoshihiro Yamaguchi1, Shinya Takagi1, Yoshiaki Kato1, Mitsuru Adachi1, Kyoko Inamoto3, Shigemitsu Sakuma1, Hisatomo Kondo1 (1. Department of Fixed Prosthodontics and Oral Implantology, School of Dentistry, Aichi Gakuin University, 2. Japanese Red Cross Toyota College of Nursing, 3. Department of Dental Education, School of Dentistry, Aichi Gakuin University)
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【目的】
 人工知能(AI)を応用し,口腔のデジタル画像からオールセラミッククラウン(ACC)と天然歯を識別する技術開発を進める中で,開発したAIの性能を客観的に評価する方法が必要となった.これまで,AIにて得られた識別結果の評価は,識別結果を画像化することで視覚的に行ってきた.この評価方法は,作成したAIモデルがACCを識別できているかを大まかに確認することはできたものの,異なる方法で作成したAIモデルの識別精度が優れているかを評価することは困難であった.今後,より識別精度の高いAIを開発するためには,客観的な評価が求められる.一般的に機械学習で作成されたAIは正解率,適合率,再現率,F値で評価される.今回は,これらの評価指標を求めるための仕組みを開発することを目的とした.
【方法】
 口腔内デジタル画像からACCと天然歯を識別するAIには畳み込みニューラルネットワーク(CNN)を用いた.CNNは物体の輪郭よりも画像のテクスチャの特徴を学習して物体を認識すること(Geirhosら, 2018-2022)を応用し,画像を24ピクセル四方に分割し,分割した画像でCNNの学習および分類を行ってきた.AIの画像識別の分野では画像にアノテーションと呼ばれる識別情報を付与し,その情報を基に機械学習を行ったり,分類精度を評価する方法が用いられている.本研究でも同様に,分割する24ピクセル四方ごとにACCや天然歯であるかを識別する情報を付与することで,分類結果の評価が可能になると考えた.そこで,複数のピクセルをまとめて情報を付与する方法を考案し,情報付与を容易に行うためのアプリケーションを開発した.さらに,このアプリケーションにアノテーション情報に基づいてCNNが分類した結果の正誤を集計する機能を実装した.
【結果と考察】
 作成したアプリケーションを使用することで,1つの口腔画像あたり10-15分程度でアノテーションを行うことが可能となり,ドローソフトを用いた場合より短時間で学習用および分類用データの作成を行うことが可能となった.また,分類結果の混同行列を出力させることが可能となり,混同行列の情報から正解率,適合率,再現率,F値を求めることが可能となった.