Presentation Information
[P-54]Development of the open magnetic circuit type magnetic attachment and magnetic shielding system for dental implants
*HITOSHI AKIYAMA1, SHIN OGURA2, MAIKO HARA1, HATTA MINORI3, TAKEI JUN4, AKAMA RYOICHI5 (1. The Nippon Dental University Hospital, General Dentistry , 2. The Nippon Dental University Hospital, Oral Implant, 3. The Nippon Dental University, Scool of Life Dentistry, Prosthodontics 2, 4. The Nippon Dental University Hospital, Laboratory, 5. The Nippon Dental University College at Tokyo, Department of Dental Technology)
【目的】
超高齢社会を迎え,寝たきりや介護が必要な多数歯欠損患者が増加し,これまでの歯科治療では対応が困難な状況が考えられ,新たな概念に基づく補綴治療が求められる.今日,閉磁路型磁性アタッチメントを用いたインプラントオーバーデンチャーの使用が認められる1)が,義歯床内面に組み込んだ開磁路型磁石と顎堤粘膜下のキーパー部との間で顎堤粘膜を介在した状態で吸引力が発揮される開磁路型磁性アタッチメントシステムは存在しない.
本研究の目的は,開磁路型磁性アタッチメント・磁気シールドシステムを構築するために,開磁路磁石の漏洩磁場を安全基準値以下に低減させる磁気シールド装置を開発し,その有効性を検証することである.
【方法】
本研究で開発した開磁路型磁性アタッチメント・磁気シールドシステムの概略図は図1に示す.義歯床内面の磁石構造体は,開磁路型ネオジム磁石とし,3種類を試作した.低保磁力で高透磁率があるパーマロイ,透磁率の高い軟磁性体であるセンダストを用いて磁石構造体周囲の漏洩磁場を低減させる磁気シールド装置を試作した.開磁路型磁石をポリカーボネート樹脂にて磁気シールド装置内で固定後,3次元フィールドマグネットアナライザー(3FMA-150、東京磁気工業株式会社)を用いて空間磁界分布を測定した.
【結果と考察】
開磁路型磁石は,N55(φ4×2㎜),N52(φ3×2㎜),N52(φ4×1.5㎜)のネオジム磁石を試作し,磁気シールド装置は,素材ブロックからの切り出し後,周囲の研削,内外径の切削,高さ方向の寸法出し,熱処理・磁性焼鈍により試作した.空間磁界分布の測定により,開磁路型磁石単体では周辺に漏洩磁場が認めれるものの,磁気シールド装置により周辺への漏洩磁場が低減されていることが認められた.開磁路型磁石は磁束が大気中に広がり,漏洩磁場が生じるが,磁気シールド装置の使用により漏洩磁場を低減させる開磁路型磁性アタッチメント・磁気シールドシステムの有効性が示唆された.
(本研究は令和5年度科学研究費助成事業(学術研究助成基金助成金)課題番号23K09240「歯科インプラントに応用する開磁路型磁性アタッチメント・磁気シールドシステムの開発」にて実施した.)
【参考文献】
1)田中譲治,水谷紘,古市嘉秀ほか.国内外磁性アタッチメントの基本性能に関する比較検討.日口腔インプラント誌 2018;31:56-63.
超高齢社会を迎え,寝たきりや介護が必要な多数歯欠損患者が増加し,これまでの歯科治療では対応が困難な状況が考えられ,新たな概念に基づく補綴治療が求められる.今日,閉磁路型磁性アタッチメントを用いたインプラントオーバーデンチャーの使用が認められる1)が,義歯床内面に組み込んだ開磁路型磁石と顎堤粘膜下のキーパー部との間で顎堤粘膜を介在した状態で吸引力が発揮される開磁路型磁性アタッチメントシステムは存在しない.
本研究の目的は,開磁路型磁性アタッチメント・磁気シールドシステムを構築するために,開磁路磁石の漏洩磁場を安全基準値以下に低減させる磁気シールド装置を開発し,その有効性を検証することである.
【方法】
本研究で開発した開磁路型磁性アタッチメント・磁気シールドシステムの概略図は図1に示す.義歯床内面の磁石構造体は,開磁路型ネオジム磁石とし,3種類を試作した.低保磁力で高透磁率があるパーマロイ,透磁率の高い軟磁性体であるセンダストを用いて磁石構造体周囲の漏洩磁場を低減させる磁気シールド装置を試作した.開磁路型磁石をポリカーボネート樹脂にて磁気シールド装置内で固定後,3次元フィールドマグネットアナライザー(3FMA-150、東京磁気工業株式会社)を用いて空間磁界分布を測定した.
【結果と考察】
開磁路型磁石は,N55(φ4×2㎜),N52(φ3×2㎜),N52(φ4×1.5㎜)のネオジム磁石を試作し,磁気シールド装置は,素材ブロックからの切り出し後,周囲の研削,内外径の切削,高さ方向の寸法出し,熱処理・磁性焼鈍により試作した.空間磁界分布の測定により,開磁路型磁石単体では周辺に漏洩磁場が認めれるものの,磁気シールド装置により周辺への漏洩磁場が低減されていることが認められた.開磁路型磁石は磁束が大気中に広がり,漏洩磁場が生じるが,磁気シールド装置の使用により漏洩磁場を低減させる開磁路型磁性アタッチメント・磁気シールドシステムの有効性が示唆された.
(本研究は令和5年度科学研究費助成事業(学術研究助成基金助成金)課題番号23K09240「歯科インプラントに応用する開磁路型磁性アタッチメント・磁気シールドシステムの開発」にて実施した.)
【参考文献】
1)田中譲治,水谷紘,古市嘉秀ほか.国内外磁性アタッチメントの基本性能に関する比較検討.日口腔インプラント誌 2018;31:56-63.