Presentation Information
[P-55]Effect of dynamic torsion testing on zirconia implants
*Toma Hara1, Takayuki Sugiki2, Moe Suzuki1, Shohei Suzuki2, Rina Suzuki3, Munetugu Seto2,3, Kazuhiko Ueda2,3 (1. Functional Occlusal Treatment, Graduate School of Life Dentistry at Niigata, The Nippon Dental University, 2. Department of Crown and Bridge Prosthodontics, The Nippon Dental University School of Life Dentistry at Niigata, 3. Oral Implant Care Unit, The Nippon Dental University Niigata Hospital)
【目的】
チタン製インプラントが広く臨床使用されている一方,チタンによる免疫反応に関連した過敏症が報告されている.この問題点を解決するためにジルコニア製インプラントが開発され,近年ではツーピース型も臨床使用されている.しかし,長期安定性に関する報告は少なく,ツーピース型はその構造からアバットメントスクリューの緩みなどの合併症の懸念がある.口腔内では咀嚼などの機能時に歯および補綴装置に曲げ,ねじれなどの応力が複合的に生じ,これらを評価するため種々の試験方法と評価方法が用いられている.しかし,ねじれ応力に関する研究は少ない1).
本研究の目的は,動的ねじり試験によりツーピース型ジルコニア製インプラント使用時に生じるアバットメントスクリューの緩み,経時的形態変化について調査することである.
【方法】
実験試料のインプラントは純チタン製(Standard Plus φ4.1mm, Straumann)(S)とジルコニア製(PURE Ceramic Implant φ4.1mm, Straumann)(P)の2種,アバットメントはチタン合金製のベース上にジルコニアを接着したハイブリッドタイプを用いた.インプラント体を万力で固定しアバットメントをメーカー規定の締結トルク値(35Ncm)でスクリュー固定し実験試料とした.実験群は2群,各群4試料とした.動的ねじり試験は,ねじり試験機を用いて試験荷重をメーカーのスクリュー規定締結トルク値の10%のトルク制御とし実験速度10°/minで左右への反復回転方向に1.0×106サイクルで負荷を加えた.試験後,アバットメントスクリューの緩みトルク値を計測し,t検定による統計学的分析 (p < 0.05)を行った. 実験試料の形態変化は走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察した.
【結果と考察】
試験後の緩みトルク値は, Sと比較してPは有意に低い値を示した(p < 0.05).またSEMより,両群とも動的ねじり試験後にアバットメントスクリューのねじ山部の金属の摩滅を認めた.以上の結果より,ジルコニア製インプラントは,チタン製インプラントと比較してねじり応力によりチタン製のアバットメントスクリューの保持力が低下する可能性が示唆された.科学研究費助成事業:課題番号23K09224
【参考文献】
1)瀬戸宗嗣,渡邉文彦.歯科材料のねじり試験.歯理工誌 2014;33(4):313-320.
チタン製インプラントが広く臨床使用されている一方,チタンによる免疫反応に関連した過敏症が報告されている.この問題点を解決するためにジルコニア製インプラントが開発され,近年ではツーピース型も臨床使用されている.しかし,長期安定性に関する報告は少なく,ツーピース型はその構造からアバットメントスクリューの緩みなどの合併症の懸念がある.口腔内では咀嚼などの機能時に歯および補綴装置に曲げ,ねじれなどの応力が複合的に生じ,これらを評価するため種々の試験方法と評価方法が用いられている.しかし,ねじれ応力に関する研究は少ない1).
本研究の目的は,動的ねじり試験によりツーピース型ジルコニア製インプラント使用時に生じるアバットメントスクリューの緩み,経時的形態変化について調査することである.
【方法】
実験試料のインプラントは純チタン製(Standard Plus φ4.1mm, Straumann)(S)とジルコニア製(PURE Ceramic Implant φ4.1mm, Straumann)(P)の2種,アバットメントはチタン合金製のベース上にジルコニアを接着したハイブリッドタイプを用いた.インプラント体を万力で固定しアバットメントをメーカー規定の締結トルク値(35Ncm)でスクリュー固定し実験試料とした.実験群は2群,各群4試料とした.動的ねじり試験は,ねじり試験機を用いて試験荷重をメーカーのスクリュー規定締結トルク値の10%のトルク制御とし実験速度10°/minで左右への反復回転方向に1.0×106サイクルで負荷を加えた.試験後,アバットメントスクリューの緩みトルク値を計測し,t検定による統計学的分析 (p < 0.05)を行った. 実験試料の形態変化は走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察した.
【結果と考察】
試験後の緩みトルク値は, Sと比較してPは有意に低い値を示した(p < 0.05).またSEMより,両群とも動的ねじり試験後にアバットメントスクリューのねじ山部の金属の摩滅を認めた.以上の結果より,ジルコニア製インプラントは,チタン製インプラントと比較してねじり応力によりチタン製のアバットメントスクリューの保持力が低下する可能性が示唆された.科学研究費助成事業:課題番号23K09224
【参考文献】
1)瀬戸宗嗣,渡邉文彦.歯科材料のねじり試験.歯理工誌 2014;33(4):313-320.