Presentation Information
[P-70]Effect of sleep restriction for awake bruxism events
*Yuichiro Yamakawa1, Takashi Iida1, Kazuhiro Yoshida1, Yuki Ishii1, Mai Hosokawa1, Mai Ikuta1, Yoshihiro Iwata1, Osamu Komiyama1 (1. Department of Oral Function and Fixed Prosthodontics Nihon University School of Dentistry at Matsudo)
【目的】
補綴歯科治療において覚醒時ブラキシズムは補綴装置の破壊等の問題を引き起こす因子の1つとされている1)が,覚醒時ブラキシズムの発現機序は解明されていない.また,ストレスと覚醒時ブラキシズムの関連が報告されているが,睡眠の不良によるストレスが覚醒時ブラキシズムに及ぼす影響を検討した報告は少ない.本研究では,意図的に睡眠時間を変化させ,それに伴う変化様相を評価し,その変化様相が覚醒時ブラキシズムの発現に及ぼす影響を検討した.
【方法】
顎口腔領域に異常を認めない18名の被験者が3日間で構成する計測に参加した.1日目の日中をBaseline(BL)とし,9時から15時30分の計6時間30分,側頭筋筋活動の計測を携帯型筋電計にて行い,1時間ごとの覚醒時ブラキシズムイベント数を算出した.12時から30分間を解析対象より除外した.BLの15時に主観的睡眠評価としてピッツバーグ睡眠質問表(PSQI)を聴取し,その後,夜間に断眠を実施した.2日目の日中を断眠後,3日目の日中を回復睡眠後とし,1日目と同様に携帯型筋電計にて側頭筋筋活動を計測し,1時間ごとの覚醒時ブラキシズムイベント数を算出した.各日の15時に主観的睡眠評価としてエプワース眠気尺度(ESS),精神的健康状態の評価としてThe World Health Organization-Five Well-Being Index(WHO-5),主観的ストレス評価としてNumerical Rating Scale(NRS)の聴取を行った(図 1).
【結果と考察】
全被験者のPSQIスコアは6未満であった.断眠後の覚醒時ブラキシズムイベント数はBL,回復睡眠後と比較し,有意に高い値を示した(P < 0.05)(図 2).断眠後のESSスコア,NRSも同様にBL,回復睡眠後と比較し,有意に高い値を示した(P < 0.05).一方,断眠後のWHO-5スコアはBL,回復睡眠後と比較し,有意に低い値を示した(P < 0.05).以上より,睡眠時間の不足は,覚醒時ブラキシズムのイベント数増加を引き起こす因子の一つとなる可能性が示唆された.
【参考文献】
1) Lobbezoo F, Ahlberg J, Glaros AG, et al. Bruxism defined and graded: an international consensus. J Oral Rehabil 2013; 40(1):2-4.
補綴歯科治療において覚醒時ブラキシズムは補綴装置の破壊等の問題を引き起こす因子の1つとされている1)が,覚醒時ブラキシズムの発現機序は解明されていない.また,ストレスと覚醒時ブラキシズムの関連が報告されているが,睡眠の不良によるストレスが覚醒時ブラキシズムに及ぼす影響を検討した報告は少ない.本研究では,意図的に睡眠時間を変化させ,それに伴う変化様相を評価し,その変化様相が覚醒時ブラキシズムの発現に及ぼす影響を検討した.
【方法】
顎口腔領域に異常を認めない18名の被験者が3日間で構成する計測に参加した.1日目の日中をBaseline(BL)とし,9時から15時30分の計6時間30分,側頭筋筋活動の計測を携帯型筋電計にて行い,1時間ごとの覚醒時ブラキシズムイベント数を算出した.12時から30分間を解析対象より除外した.BLの15時に主観的睡眠評価としてピッツバーグ睡眠質問表(PSQI)を聴取し,その後,夜間に断眠を実施した.2日目の日中を断眠後,3日目の日中を回復睡眠後とし,1日目と同様に携帯型筋電計にて側頭筋筋活動を計測し,1時間ごとの覚醒時ブラキシズムイベント数を算出した.各日の15時に主観的睡眠評価としてエプワース眠気尺度(ESS),精神的健康状態の評価としてThe World Health Organization-Five Well-Being Index(WHO-5),主観的ストレス評価としてNumerical Rating Scale(NRS)の聴取を行った(図 1).
【結果と考察】
全被験者のPSQIスコアは6未満であった.断眠後の覚醒時ブラキシズムイベント数はBL,回復睡眠後と比較し,有意に高い値を示した(P < 0.05)(図 2).断眠後のESSスコア,NRSも同様にBL,回復睡眠後と比較し,有意に高い値を示した(P < 0.05).一方,断眠後のWHO-5スコアはBL,回復睡眠後と比較し,有意に低い値を示した(P < 0.05).以上より,睡眠時間の不足は,覚醒時ブラキシズムのイベント数増加を引き起こす因子の一つとなる可能性が示唆された.
【参考文献】
1) Lobbezoo F, Ahlberg J, Glaros AG, et al. Bruxism defined and graded: an international consensus. J Oral Rehabil 2013; 40(1):2-4.