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[P-92]iPSC-derived megakaryocytes for Alveolar bone regeneration

*Toshiki Nagano1,2, Hidenori Hirose3, Junko Tomizuka3, Hideyuki Yamamoto1,2, Takasi Sawase1, Asano Asami3, Yoshinori Sumita2 (1. Department of Applied Prosthodontics, Graduate School of Biomedical Sciences, Nagasaki University, 2. Department of Medical Research and Development for Oral Disease, Graduate School of Biomedical Sciences, Nagasaki University, 3. Megakaryon Corporation)
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【目的】
 われわれは歯槽骨造成に応用される多血小板血漿(PRP)の骨誘導性と汎用性の向上を目的に,同種iPS細胞由来巨核球(iPSC-derived megakaryocytes; iMK)に着目し,その血小板放出後の細胞残渣成分(iMK-derived factor; iMDF®)による新規骨再生製剤の開発を試みてきた.そして,これまでにiMDFがPRPと比較して生体で高い骨誘導性を示すことを見出している.
 他方で,近年血小板産生前の巨核球が骨芽細胞の増殖を促進させることや,破骨細胞の分化を制御することで骨代謝に寄与すると報告されている1).そこで本研究では,血小板産生前のiMKが骨再生へ寄与する可能性について検討した.
【方法】
 骨髄間葉系幹細胞(BM-MSC)の増殖・分化に対するiMKの作用を評価するため,増殖期と成熟期(血小板産生前の成熟開始2日目)の各分化段階に調整し, 両者の共培養を実施した.共培養後はBM-MSCの増殖・分化の特性変化を経時的に解析するとともに,共培養中のiMKについても特性解析を実施した.
 次に,iMKの生体での骨再生能を評価するため,免疫不全ラットの頭蓋骨に骨欠損を作出し,成熟期のiMKをOCP/Collagenに播種し移植した.その後,経時的に移植試料を採取し,μCTによる新生骨量の解析,組織学的・免疫組織学的解析を実施した.
【結果と考察】
 共培養試験では,成熟期iMKはBM-MSCの増殖と分化の両方を促進させた.他方で,共培養後の成熟期iMKでは,PDGF-bbなどの成長因子に加え,骨形成関連遺伝子の発現亢進が認められた.さらに,生体ではiMKが移植後4週までに対照群と比較して有意に骨形成を促進させた.
 以上のことから,成熟段階に入ったiMKが生体で高い骨再生能を発揮することが示された.成熟期iMKはBM-MSCとの相互作用により骨形成因子を産生し,BM-MSCの増殖・分化に作用する可能性が示唆され,このような作用が生体での骨再生亢進に寄与したと考えられる.
【参考文献】
1) Kacena MA, Shivdasani RA, Wilson K et al. Megakaryocyte-osteoblast interaction revealed in mice deficient in transcription factors GATA-1 and NF-E2. J Bone Miner Res 2004;19(4):652-60.