Presentation Information
[SY3-1]Unveiling skeletal stem cell diversity: advancing bone regeneration in dentistry
*Yuki Matsushita1 (1. Nagasaki University)
Keywords:
骨格幹細胞,骨再生,顎骨再生療法
超高齢社会の現代日本において健康寿命を高めることは重要な課題となっている。加齢に伴う疾患の中でも、骨粗鬆症やそれに起因する骨折を契機に寝たきりに移行することも多く、健康寿命を縮める危険因子となるため、骨再生機構の理解と応用展開への期待が高まっている。骨再生は歯科領域においても重要な事象であり、失われた顎骨や歯槽骨に対する治療法として骨補填剤を併用した顎骨再生療法が広く行われている。骨再生過程では、まず始めに唯一絶対の存在である骨格幹細胞が損傷部位に集まり、その後自己複製と同時に骨芽細胞などの骨を形成する細胞に一方向に分化することで骨再生を引き起こすと長らく考えられてきた。一方で、私たちは骨に関連する細胞の中でも終末分化細胞である骨髄間質細網細胞(CXCL12-abundant reticular cells: CAR cells)に着目し、骨髄間質細網細胞は、骨再生時には分化の流れに逆流して骨格幹細胞様の形質を獲得し、その後骨芽細胞に再分化して骨形成を惹起する、細胞の可塑性という新たな骨再生機構を明らかにした。さらにその後の研究によって、これまで同定されていなかった全く新しい骨髄内の細胞集団を発見し、私たちはこの細胞を骨内膜幹細胞(Endosteal stem cells)と名づけた。本シンポジウムでは現在明らかになっている、時期空間特異的な骨格幹細胞の動態と、顎骨再生療法への応用展開について、最近の研究成果も含めて紹介させていただく。