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[SY3-2]Mechanisms of Functional Decline in Endogenous MSCs and Potential for Functional Activation

*Kentaro Akiyama1 (1. Okayama University Graduate School Occlusal and Functional Rehabilitation)
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Keywords:

間葉系幹細胞機能,慢性炎症,加齢

補綴歯科治療の未来において、体性幹細胞を活用した組織再生技術の確立は、口腔機能の長期的維持と治療の質の向上に不可欠であり、その実用化に向けた研究と技術開発が求められている。間葉系幹細胞(MSCs)は、骨・歯周組織の修復や免疫調節機能を担い、組織再生の中心的役割を果たすことが期待されている。しかし、MSCsの臨床応用は依然として限定的であり、移植幹細胞の生着率や長期的な機能維持の困難さが課題として挙げられる。一方で、歯周病をはじめとする慢性炎症性疾患や加齢に伴う組織の炎症化が、もともと体内に存在する,内在性MSCsの機能低下に深く関与していることが明らかになりつつある。我々の研究結果においても,MSCsの機能低下は、慢性炎症環境におけるTNF-αなどの炎症性サイトカインの過剰発現によって促進されることや,老化に伴う低度慢性炎症(Inflammaging) によって分化能や免疫調節能の低下を招く可能性を示している。本シンポジウムでは、慢性炎症や宿主の加齢などの環境因子がMSCsの機能低下にどのように関連するのか、また,その制御による組織再生の可能性について議論を深める。補綴歯科治療の未来に向けて、内在性幹細胞の機能賦活化が、組織再生と老化制御の双方において有用な戦略となる可能性を提示し、新たな治療指針の確立に貢献したい。