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[SY7-1]Medical-Dental Collaboration Centered on 'Eating' from a General Practitioner’s Perspective

*Kunio Kusajima1 (1. Fujita Health University, Department of General Medicine, Visiting Lecturer / Toyota Regional Medical Center)
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Keywords:

総合診療科,食支援,多職種連携

在宅医療では、「食べる」という基本的な生活機能の支援が患者の健康維持と生活の質(QOL)向上に直結する重要な課題である。低栄養や嚥下障害は、褥瘡や肺炎の悪化、リハビリの停滞を招き、患者のADLを著しく低下させる要因となる。医科では全身状態の評価や薬物治療、リハビリテーションを行うが、それだけでは「食べる」機能を十分に支えることは難しい。 総合診療医の視点では、低栄養や嚥下障害は全身状態や生活環境と密接に関連しているため、これらを包括的に評価し、改善に取り組む必要がある。例えば、褥瘡が治らない患者の背景には栄養状態の悪化や口腔ケアの不足が存在し、不適切な食事形態や摂食環境は誤嚥性肺炎のリスクを高める要因となる。 さらに、「食べる」ことには栄養補給以上の意味があり、患者が家族と共に食事を楽しむことは心理的・社会的な側面で重要な役割を果たす。適切な口腔ケアや食事環境の整備を通じて、患者が「食べる喜び」を取り戻すことは、家族とのつながりを深め、在宅ケア全体の満足度を向上させる。これにより、患者だけでなく家族全体のQOLも高まる。 本発表では、「食べる」を中心に据えた在宅医療における医科歯科連携の具体的な実践例を紹介する。総合診療医として、患者と家族を支えるケアの在り方を考察し、多職種連携による包括的なアプローチを提案する。