Presentation Information
[P-14]A case of complete denture prosthesis applying the perception of mandibular position measurement method to determine the vertical maxillomandibular relationship
*Koichiro Miyamoto1, Kazunobu Ogawa2, Kentaroh Nakamura3,4, Yasunori Ayukawa4 (1. Chugoku & Shikoku Branch, 2. Kansai Branch, 3. Tokai Branch, 4. Section of Implant & Rehabilitative Dentistry, Division of Oral Rehabilitation, Faculty of Dental Science, Kyushu University)
【緒言】
無歯顎補綴治療において最適な垂直的顎間関係の設定はきわめて重要な臨床術式である.無歯顎者の顎間関係は患者固有の顎口腔機能に調和させることにより生体の神経筋機構を健全に維持するものでなければならない.
われわれは顎間関係を顎口腔機能に調和させることを目的に,Lytleが提唱した患者の下顎位置感覚を利用して垂直的顎間関係の設定における指標としている1).
今回は,野首らにより提唱された下顎位置感覚による快適咬合域(以下COZ)の計測を目的にセントラルベアリングトレーシングデバイス(以下CBTD)を用いて垂直的顎間関係を設定した症例を報告する.
【症例の概要・治療内容】
患者は67歳,男性.主訴は義歯の不適合と右側臼歯部の咀嚼困難.症例の病態はO2S2Q2Y2,総合的な治療難易度はCTD2.右側臼歯部人工歯の病的咬耗による咀嚼障害と診断した.
垂直的顎間記録にはカンペル平面を基準とした咬合堤にCBTDを装着し,セントラルベアリングスクリューの上下可変から患者の主観的評価を3回測定する下顎位置感覚測定法を用いた(表1).患者が「ちょうどよい」と感じるとの回答が3回とも共通して得られた範囲をCOZとした.その中央値は−1/4mmであり旧義歯よりもわずかに低いという結果が得られ,この高径で設定した.
水平的顎間記録にはCOZによる垂直的顎間関係を設定したCBTDを用い,タッピング法にて設定した.その後,通法に従い全部床義歯を製作した.
【経過ならびに考察】
新義歯を製作した結果,
1.装着時に咬合調整を必要としなかった.
2.OHIP−J54(旧義歯:68→新義歯:18)から口腔関連QOLの改善が認められた.
3.食べる機能の数値化による補綴歯科治療の質保証では,咀嚼能率測定(旧義歯:89 mg/dL→新義歯:204 mg/dL)から咀嚼能力の回復が認められた.
これらのことから,無歯顎補綴治療に下顎位置感覚測定法によるCOZの設定は垂直的顎間記録に有効であることが示唆された.
【参考文献】
1) Lytle RB. Vertical relation of occlusion by the patient’s neuromuscular perception. J Prosthet Dent 1964; 14: 12-21.
無歯顎補綴治療において最適な垂直的顎間関係の設定はきわめて重要な臨床術式である.無歯顎者の顎間関係は患者固有の顎口腔機能に調和させることにより生体の神経筋機構を健全に維持するものでなければならない.
われわれは顎間関係を顎口腔機能に調和させることを目的に,Lytleが提唱した患者の下顎位置感覚を利用して垂直的顎間関係の設定における指標としている1).
今回は,野首らにより提唱された下顎位置感覚による快適咬合域(以下COZ)の計測を目的にセントラルベアリングトレーシングデバイス(以下CBTD)を用いて垂直的顎間関係を設定した症例を報告する.
【症例の概要・治療内容】
患者は67歳,男性.主訴は義歯の不適合と右側臼歯部の咀嚼困難.症例の病態はO2S2Q2Y2,総合的な治療難易度はCTD2.右側臼歯部人工歯の病的咬耗による咀嚼障害と診断した.
垂直的顎間記録にはカンペル平面を基準とした咬合堤にCBTDを装着し,セントラルベアリングスクリューの上下可変から患者の主観的評価を3回測定する下顎位置感覚測定法を用いた(表1).患者が「ちょうどよい」と感じるとの回答が3回とも共通して得られた範囲をCOZとした.その中央値は−1/4mmであり旧義歯よりもわずかに低いという結果が得られ,この高径で設定した.
水平的顎間記録にはCOZによる垂直的顎間関係を設定したCBTDを用い,タッピング法にて設定した.その後,通法に従い全部床義歯を製作した.
【経過ならびに考察】
新義歯を製作した結果,
1.装着時に咬合調整を必要としなかった.
2.OHIP−J54(旧義歯:68→新義歯:18)から口腔関連QOLの改善が認められた.
3.食べる機能の数値化による補綴歯科治療の質保証では,咀嚼能率測定(旧義歯:89 mg/dL→新義歯:204 mg/dL)から咀嚼能力の回復が認められた.
これらのことから,無歯顎補綴治療に下顎位置感覚測定法によるCOZの設定は垂直的顎間記録に有効であることが示唆された.
【参考文献】
1) Lytle RB. Vertical relation of occlusion by the patient’s neuromuscular perception. J Prosthet Dent 1964; 14: 12-21.

