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[P-140]A case of geriatric dental case for low nutrition caused by occlusal collapse in the late elderly

*Hiroki Son1, Yoko Hakumoto1, Mai Harada1, Daijiro Gondou1, Taeko Masuda1, Kentaroh Nakamura2, Yasunori Ayukawa3 (1. Kansai Branch , 2. Tokai Branch, 3. Section of Implant and Rehabilitative Dentistry, Division of Oral Rehabilitation, Faculty of Dental Science, Kyushu University)
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【緒言】
 近年,高齢化が加速する歯科医療において老年歯科医療が重視されつつある.低栄養は筋肉量,筋力低下を招いてADLを低下かつ歩行障害や摂食嚥下障害をも惹起させる.翻って,高齢者における咬合支持の消失は低栄養のリスク因子のなかでも重要度は極めて高い1).しかしながら,口腔機能低下症と診断,低栄養に陥る高齢患者に対しての歯科診療所での対応は十分でないと言わざるを得ない.また,咬合崩壊に伴う咀嚼機能低下が認められる高齢患者に対する補完的な老年歯科医療が十分であるとも言い難い.今回,われわれは咬合崩壊に起因する低栄養および全身衰弱にて入院した後期高齢患者に咀嚼機能・食塊形成ならびに食形態の改善を目的に咬合再構成を施した症例を報告する.
【症例の概要・治療内容】
 患者は90歳女性.低栄養ならびに全身衰弱により内科入院.要介護度は4,ADLは食事以外ほぼ全介助であった.患者が普通食や固形物等の咀嚼困難を訴えたことから食形態は“お粥”と“きざみ食”であった.上顎に残根を含めた8歯のみ残存しており,Eichnerの分類はC2であった.OSQYはAXISⅠとAXISⅡともにGrade3であり,CTD4と評価した.術前の医療面接および診察,検査により上顎には固定性装置を下顎には可撤性補綴装置を選択した.咬合支持が消失している高齢者の顎口腔系において適正な咬頭嵌合位を見出すことを目的に,機能的根拠に基づく方法として下顎安静位利用法を採用した.生理的な垂直的・水平的顎間関係を再設定するに際し,咬合床にCBTD(セントラルベアリングトレーシングデバイス,東京歯材社.東京,日本)を装着,数回異日にて確認した.装着時に義歯調整,咬合調整を必要としなかった.
【経過ならびに考察】
 装着直後から普通食に変更したが,咀嚼困難を訴えることはなかった.10か月経過後,普通食を食し,血液検査ではトータルプロテインが5.0 g/dLから6.8 g/dLへと上昇した.ADLは一時的な捕まり歩行も可能となり,排便等も自立した.これらのことから,低栄養を呈する後期高齢患者の咀嚼機能低下に対し,補完的な老年歯科医療が有効であることが示唆された.
【参考文献】
岩崎正則.健康な口腔から得られるものー食・栄養を中心にー.日補綴会誌 2023;15:158-163