Presentation Information
[P-23]Influence of retention grooves incorporated into both keeper and root cap on the bond strength in direct bonding method
*Hirofumi Yamaguchi1, Rei Okuda1, Koki Ishikawa1, Masatoshi Takahashi2, Nobuhiro Yoda1 (1. Tohoku University Graduate School of Dentistry Division of Advanced Prosthetic Dentistry, 2. Health Sciences University of Hokkaido School of Dentistry Division of Biomaterials and Bioengineering)
【目的】
磁性アタッチメントのキーパー付根面板の製作法には、ダイレクトボンディング法(DB法)と鋳接法がある。保険診療では主にDB法が用いられるが、キーパーの脱離例がメーカーへ年間数件報告されている。キーパー側面やハウジングパターン内面には接着性向上のための維持溝が付与される場合があるが、その仕様は製品により異なる。本研究では、キーパーおよび根面板における維持溝の有無が接着強さに及ぼす影響を検証した。
【方法】
フィジオマグネット(モリタ)に使用される維持溝付ハウジングパターン、および同材質・形状で維持溝のない試作ハウジングパターンを用いて根面板を作製した。試作キーパーはφ3.0×0.8mmとφ5.5×0.8mmの2サイズとし、それぞれに維持溝の有無を設定した。根面板側とキーパー側における維持溝の「あり・なし」を、各サイズにおいて相互に組み合わせた計8条件にて接着を行い(n=5)、37℃の蒸留水中に24時間浸漬した。その後、万能試験機を用いてクロスヘッドスピード1.0mm/minにて引張試験を実施し、破断時の最大荷重を測定した。また、破断面の性状を走査型電子顕微鏡(SEM)により観察した。
【結果と考察】
破断時の平均最大荷重は、キーパー径にかかわらず維持溝付同士の組み合わせが最大値を示した。一方、維持溝なし同士の接着では最小値となったことから、維持溝の付与は接着強さの向上に有効であることが示された。破断面観察において、維持溝付同士の組み合わせでは、キーパーおよび根面板双方の側面にレジンセメントの凝集破壊が認められた。維持溝付キーパーと維持溝なし根面板の組み合わせでは、根面板側面で界面破壊したレジンセメントがキーパー側面に部分的に付着したものの、それ以外は凝集破壊を呈して双方の側面に付着しており、混合破壊が認められた。これに対し、維持溝なし同士では大部分が界面破壊であり、一部に混合破壊を認めるのみであった。破断荷重が大きい条件ほど凝集破壊の占める割合が高い傾向にあり、これは維持溝による強固なアンカー効果が発揮されたことで、引張時の剪断応力がレジンセメント自体の破壊応力を上回り、破壊様式が界面破壊から凝集破壊へと変化したためと考えられる。以上より、維持溝による機械的維持が発揮され、凝集破壊を呈する条件ほど高い接着強さが得られることが分かった。
磁性アタッチメントのキーパー付根面板の製作法には、ダイレクトボンディング法(DB法)と鋳接法がある。保険診療では主にDB法が用いられるが、キーパーの脱離例がメーカーへ年間数件報告されている。キーパー側面やハウジングパターン内面には接着性向上のための維持溝が付与される場合があるが、その仕様は製品により異なる。本研究では、キーパーおよび根面板における維持溝の有無が接着強さに及ぼす影響を検証した。
【方法】
フィジオマグネット(モリタ)に使用される維持溝付ハウジングパターン、および同材質・形状で維持溝のない試作ハウジングパターンを用いて根面板を作製した。試作キーパーはφ3.0×0.8mmとφ5.5×0.8mmの2サイズとし、それぞれに維持溝の有無を設定した。根面板側とキーパー側における維持溝の「あり・なし」を、各サイズにおいて相互に組み合わせた計8条件にて接着を行い(n=5)、37℃の蒸留水中に24時間浸漬した。その後、万能試験機を用いてクロスヘッドスピード1.0mm/minにて引張試験を実施し、破断時の最大荷重を測定した。また、破断面の性状を走査型電子顕微鏡(SEM)により観察した。
【結果と考察】
破断時の平均最大荷重は、キーパー径にかかわらず維持溝付同士の組み合わせが最大値を示した。一方、維持溝なし同士の接着では最小値となったことから、維持溝の付与は接着強さの向上に有効であることが示された。破断面観察において、維持溝付同士の組み合わせでは、キーパーおよび根面板双方の側面にレジンセメントの凝集破壊が認められた。維持溝付キーパーと維持溝なし根面板の組み合わせでは、根面板側面で界面破壊したレジンセメントがキーパー側面に部分的に付着したものの、それ以外は凝集破壊を呈して双方の側面に付着しており、混合破壊が認められた。これに対し、維持溝なし同士では大部分が界面破壊であり、一部に混合破壊を認めるのみであった。破断荷重が大きい条件ほど凝集破壊の占める割合が高い傾向にあり、これは維持溝による強固なアンカー効果が発揮されたことで、引張時の剪断応力がレジンセメント自体の破壊応力を上回り、破壊様式が界面破壊から凝集破壊へと変化したためと考えられる。以上より、維持溝による機械的維持が発揮され、凝集破壊を呈する条件ほど高い接着強さが得られることが分かった。

