Presentation Information

[P-91]Development of an antibiotic delivery system using chemically modified carbon nanodots and its antibacterial efficacy

*Eri Hirata1, Yukari Maeda1, Kiwamu Sakaguchi1, Atsuro Yokoyama1 (1. Faculty and Graduate school of Dental Medicine Hokkaido University)
PDF DownloadDownload PDF
【目的】
 インプラント周囲炎は、インプラントの予後に大きな影響を与えるが,現在行われている機械的デブライドメントや抗菌薬投与の治療効果は現定的である.特に抗菌薬は,薬剤耐性や局所滞留性の低さ,さらには高濃度での細胞毒性が臨床上の課題となっている.
 これまでに,我々はカーボンナノ物質の一つであるカーボンナノホーンをキャリアとし,ミノサイクリン(MC)を担持させ殺菌効果を維持することを報告した [1].カーボンナノドット(carbon nanodots:以下CNDs )は直径10 nm以下のゼロ次元炭素ナノ材料であり,優れた生体適合性から医療への応用が注目されている.さらに,CNDsは多様な表面官能基を持ち,表面修飾の容易さから薬物送達において有利である.
 本研究では,新たなインプラント周囲炎治療法の開発を目的として,表面化学を制御したCNDsにMC担持したナノ材料を設計し,その抗菌特性ならびに生体適合性を検討した.
【方法】
 CNDsを合成後,水素結合性官能基を導入したCNDs (CND-L1)を合成した.透過型電子顕微鏡,動的光散乱法,ならびに蛍光分光法等により物理化学的特性と複合体形成効率を評価した.また,インプラント周囲炎関連菌の一つである Aggregatibacter actinomycetemcomitans を用いて,MC,CND,CND-L1, MC/CND,MC/CND-L1の抗菌活性を比較した.さらに,骨芽細胞を用いた細胞増殖試験を行った.
【結果と考察】
 各種分析により,CNDsおよびCND-L1の合成とMC/CND, MC/CND-L1のMC担持が示された.低濃度条件下では,MC単独およびMC/CNDは明確な抗菌効果を示さなかったが,MC/CND-L1は,細菌生存率を約75%に有意に低下させた.また,MC/CND-L1は骨芽細胞の増殖を阻害しなかった.CNDs表面の化学修飾は抗菌薬効果を増強し,インプラント周囲炎をはじめとする感染症の局所治療への応用が期待される.
【参考文献】
1. Maeda Y, Hirata E, Takano Y et al. Stable aqueous dispersions of carbon nanohorns loaded with minocycline and exhibiting antibacterial activity. Carbon 2020; 166: 36-45.