Presentation Information

[P-94]Effects of acrolein on murine osteoblast-like cells

*Kaede Hashihara1, Toshikazu Ikeda2, Rika Uchiyama2, Koki Iijima2, Shinichi Sasaki2, Ibuki Shimada1, Taiga Takahashi1, Chihaya Matsumoto1,2, Koji Kobayashi4, Koichi Sato4, Tetsuo Yamamori3, Masaki Takatsu1,2 (1. Department of Oral Rehabilitation, Ohu University Graduate School of Dentistry, 2. Department of Prosthetic Dentistry, Ohu University School of Dentistry, 3. Ohu University Dental Hospital, 4. Kansai Branch)
PDF DownloadDownload PDF
【目的】
 口腔インプラント治療において,喫煙は重要なリスク因子の1つとされている。これは紙巻きタバコに基づくものであり,広く浸透している加熱式たばこ(Heat-not-Burn, HnB)の影響については,不明な点が多い。一部の調査研究においては,HnBの喫煙者の唾液中の抗菌タンパク質量が有意に低下しており,炎症誘発性サイトカインが高レベルであることが示されている。しかしながら,オッセオインテグレーションや骨分化とHnBとの関連は,未だ明らかにされていない。一方,HnBのプルーム中には,ニコチン以外にも,従来の紙巻きタバコよりも少量ではあるが,ベンゼンやアクロレインなどの有害物質を含有することが知られている。そこで,アクロレインが骨芽細胞の増殖と分化に及ぼす影響を解析した。
【方法】
 細胞はマウス骨芽細胞様細胞MC3T3-E1細胞を用いた。αMEM培地に50 mg/ml アスコルビン酸,10 mM b-グリセロ2リン酸および10%ウシ胎児血清を添加したものを培地として用いた。細胞を48時間培養し,MTTアッセイにて細胞毒性の調査を行った。そこで,アクロレインを10-5~10-3 M添加し,20日間培養を行い4日間ごとに細胞を分取した。AGPC法にてtotal RNAを抽出し,骨芽細胞の増殖・分化に関与するマーカーの遺伝子発現量をRT-qPCRにて解析した。
【結果と考察】
 10-5~10-3 Mのアクロレインの48時間添加は,細胞増殖・細胞死に影響を及ぼさなかった。一方,ALPの遺伝子発現は,10-5~10-3 Mのアクロレインの持続添加で培養20日目で有意に抑制した。BMP-2の遺伝子発現は,10-4Mのアクロレインの持続添加で培養4日目,10-3 Mの添加で培養4~8日目で有意に抑制した。10-3 Mのアクロレインの持続添加は,BSP-2,オステオカルシンの遺伝子発現量を,培養期間を通して(4~20日目まで)有意に抑制した。加えて,骨芽細胞分化の転写因子であるRunx2と骨細胞分化の転写因子であるOsxの遺伝子発現は,アクロレインによって培養12~20日目まで有意に抑制された。
 これらのことから,10-3 Mのアクロレイン添加は,何らかの骨芽細胞分化抑制に関与する可能性が示唆された。