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[4Yin-A-59]Analysis of Japanese Modern Criticism using Large Language Models

〇Itsuki Kanemura1, Ryosuke Yamaki1, Azusa Sasaki1 (1. Ritsumeikan University)

Keywords:

Critique,Distant Reading,Large Language Models,Text Mining

本研究は,昭和初期における評論・批評を対象とし,文学作品から思想的傾向を読み取るための定量的分析を試みた.大規模言語モデルを用いてテキストをベクトル化し,主成分分析およびt-SNEによって作家間・時期間の思想的傾向を可視化した.分析では,(1)河上徹太郎,小林秀雄,青野季吉ら多様な評論家の開戦期評論を対象に共時的比較を行い,(2)特定雑誌に掲載された評論を時期別に取り上げ,思想的傾向の通時的比較を実施した.結果として,テキストが内包する主題や特徴に基づくクラスターが形成され,各主成分に対して「作家の姿勢」や「時期による評論性質の変容」などの解釈を付与できることが示された.これらの定量的結果は,従来の精読による文学的・定性的解釈と高い整合性を示しており,提案手法が文学的・思想的な質的差異を適切に反映できることを裏付けている.本手法は,従来の解釈精度を維持しつつ,人手では限界があった膨大なテキスト群を俯瞰的かつ多角的に分析できる点が特徴である.今後は,分析対象となる作家や時代をさらに拡大することで,近代日本における思想的傾向の変遷をより巨視的な視座から捉えることが期待される.