The 125th Annual Meeting of Japanese Society of Animal Science

The 125th Annual Meeting of Japanese Society of Animal Science

Mar 27 - Mar 30, 2019Azabu University
The Annual Meeting of Japanese Society of Animal Science
The 125th Annual Meeting of Japanese Society of Animal Science

The 125th Annual Meeting of Japanese Society of Animal Science

Mar 27 - Mar 30, 2019Azabu University

[VYS-06]暑熱環境下の採卵鶏卵胞における卵黄前駆物質取り込み関連因子の変動

Shoji Yua, Kurosawa Akihiro, Tokita Mamiko, Sato Kan(Tokyo Univ. of Agriculture and Technology)
【目的】近年地球温暖化の影響で,採卵鶏においても飼料摂取量が低下し,卵質や産卵率の低下を来すなど,生産成績に重大な影響がある.しかし,卵生産の中心を担う脂質代謝に暑熱が及ぼす影響の全容は未だ明らかでない.そこで本研究では,暑熱下の採卵鶏における卵生産機構の特徴を明らかにすることを目的として,卵胞への卵黄前駆物質の取り込みに関する因子の変動を明らかにすることを試みた.【方法】白色レグホンを対照区26℃,暑熱区32℃で2週間飼育した.生産成績,脂質成分濃度,肝臓および卵胞のmRNA発現量,および関連蛋白質量等を測定した.【結果】卵黄前駆物質合成に関与する肝臓のFASおよびHMGRの発現量は暑熱で有意に低下したが,卵黄中における脂質成分に大きな変動はなかった.血漿中の脂質関連粒子は粒子径の小さい粒子が増加し,顆粒膜細胞ギャップジャンクションを通過しやすくなった可能性が示唆された.顆粒膜細胞構造に関与する因子のmRNA発現量には,暑熱で減少するものと増加するものがあり,ギャップジャンクション結合が緩む一方で,補修する働きが生じる可能性が推測された.卵黄前駆物質の取り込み担体であるLR8は暑熱環境下でその発現が増加していた.以上の結果から,暑熱環境下では卵胞への卵黄前駆物質取り込み因子が変動し,産卵を維持する機構が働いていることが示唆された.