The Annual Meeting of Japanese Society of Animal Science

肉用牛排せつ物起源の温室効果ガス排出抑制を目的として，窒素排出削減型の飼料を検討しており，ホルスタイン種去勢牛（対照区4頭，試験区4頭）の肥育前期（7～10ヶ月齢）にCP含量の異なる濃厚飼料（対照区配合飼料（CP約19.5%DM）＋大豆粕，試験区配合飼料（CP約16%DM）＋バイパスリジン＋バイパスメチオニン）を給与した．粗飼料は両区ともチモシー乾草を給与した．乾物摂取量は対照区7.8kg/日，試験区8.0kg/日であり，有意差は認められなかった．全飼料中CP含量は対照区で約17%DM，試験区で約14%DMになった．試験開始時の体重は対照区238kg，試験区243kg，肥育前期終了時の体重は対照区367kg，試験区376kg，日増体量は対照区1.33kg/日，試験区1.37kg/日であり，いずれも有意差は認められなかった．飼料効率は対照区0.170kgBWG/kgDMI，試験区0.175kgBWG/kgDMIであり，有意差は認められなかった．インデックス法による窒素出納試験の結果，代謝体重あたりの数値で，窒素摂取量が試験区で有意に低く，尿窒素排せつ量およびふん尿窒素排せつ量が試験区で低い傾向にあった．肥育前期を通じたふん尿窒素排せつ量を計算したところ，対照区に対して試験区が1割以上低い値であった．