The 126th Annual Meeting of Japanese Society of Animal Science

The 126th Annual Meeting of Japanese Society of Animal Science

Sep 17 - Sep 20, 2019Iwate University
The Annual Meeting of Japanese Society of Animal Science
The 126th Annual Meeting of Japanese Society of Animal Science

The 126th Annual Meeting of Japanese Society of Animal Science

Sep 17 - Sep 20, 2019Iwate University

[III-YS-01]但馬牛の系統分類が長期的な遺伝的多様性に与える効果

*山田 栞1、本多 健2、小浜 菜美子3、坂瀬 充洋3、大山 憲二2(1. 神戸大農、2. 神戸大院農、3. 兵庫農技総セ北部)
【目的】遺伝的多様性の減少が危惧される兵庫県の黒毛和種(但馬牛)では,ジーンドロッピング法と主成分分析を組み合わせた手法により集団を5つの系統(G1–4,G5,G6,G7およびG8)に分類し多様性の維持を図っている.本手法は,短期的な多様性の維持に関する有効性は確認されているが,本研究では長期的な有効性の調査をコンピュータシミュレーションにより実施した.【方法】但馬牛の現存個体12,578頭をシミュレーションの基礎世代(世代0)と定義した.ここから各世代で,方法1)雄牛20頭,雌牛5,000頭を無作為に選抜,あるいは方法2)系統分類を行い,各系統で雄牛4頭,雌牛1,000頭を「系統らしさ指標(DL)」により選抜し,世代15まで集団を発生させた.DLとは,第1から第3主成分得点で個体を空間にプロットし,原点およびx・y・z平面から遠いものを優れていると評価する指標である.【結果】平均近交係数は,方法1)では世代1の0.245から世代15の0.310まで増加したが,方法2)では世代15で0.493にまで達し,系統内交配が集団の近交度を大きく増加させた.一方で両方法の遺伝的多様性指数(GDt)はほぼ同等であった.方法2)において,GDtを構成する要素のうち系統内の遺伝的多様性はGDt以上に大きく減少したが,系統間の遺伝的多様性は0.039(世代1)から0.176(世代15)まで増加した.しかし,方法2)では維持が困難になる系統が認められ,G5では98%の反復で世代5まで到達できなかった.