[IIYS-05]活性酸素の抑制を介したFXRの卵子クオリティ維持への関与
*Kota Morimoto1, Tomioka Ikuo1(1. Shinshu Univ.)
【背景・目的】
FXR(Farnesoid X Receptor)はコレステロール、脂質、グルコースの代謝を制御し、生殖機能に関与しないと考えられてきた。しかしながら、本研究室で作出したFXR-KOマウスは野生型マウスに比べ過排卵卵子数が有意に多かった。そこで本研究は、FXR-KOマウス卵子のクオリティを調べることを目的とした。
【材料・方法】
4週齢の野生型およびFXR-KO雌マウスから過排卵卵子を採取し、野生型雄マウス精子と体外受精させ、以下の実験に供試した。実験①:受精率および胚盤胞期胚への発生率を算出した。実験②:得られた胚盤胞期胚の細胞数を計数した。実験③:得られた受精卵の培養後2日および3日の発生ステージを調べた。実験④:得られた過排卵卵子の活性酸素(ROS)量を比較解析した。
【結果・考察】
野生型およびFXR-KOマウス受精卵において、受精率および発生率に差はなかった(実験①)。一方、FXR-KOマウスは野生型と比べ胚盤胞期胚の細胞数が極めて有意に低下し(実験②)、発生スピードも低下していた(実験③)。さらに、FXR-KOマウスの過排卵卵子では極めて有意にROS量が増加していた(実験④)。以上の結果、これまで生殖機能に関与しないと考えられてきたFXRが、卵子においてはROS産生を抑制することで卵子のクオリティを維持するという重要な機能を持つ事が示された。
FXR(Farnesoid X Receptor)はコレステロール、脂質、グルコースの代謝を制御し、生殖機能に関与しないと考えられてきた。しかしながら、本研究室で作出したFXR-KOマウスは野生型マウスに比べ過排卵卵子数が有意に多かった。そこで本研究は、FXR-KOマウス卵子のクオリティを調べることを目的とした。
【材料・方法】
4週齢の野生型およびFXR-KO雌マウスから過排卵卵子を採取し、野生型雄マウス精子と体外受精させ、以下の実験に供試した。実験①:受精率および胚盤胞期胚への発生率を算出した。実験②:得られた胚盤胞期胚の細胞数を計数した。実験③:得られた受精卵の培養後2日および3日の発生ステージを調べた。実験④:得られた過排卵卵子の活性酸素(ROS)量を比較解析した。
【結果・考察】
野生型およびFXR-KOマウス受精卵において、受精率および発生率に差はなかった(実験①)。一方、FXR-KOマウスは野生型と比べ胚盤胞期胚の細胞数が極めて有意に低下し(実験②)、発生スピードも低下していた(実験③)。さらに、FXR-KOマウスの過排卵卵子では極めて有意にROS量が増加していた(実験④)。以上の結果、これまで生殖機能に関与しないと考えられてきたFXRが、卵子においてはROS産生を抑制することで卵子のクオリティを維持するという重要な機能を持つ事が示された。
