The 130th Annual Meeting of Japanese Society of Animal Science

The 130th Annual Meeting of Japanese Society of Animal Science

Sep 14 - Sep 17, 2022Tokyo University Of Agriculture
The Annual Meeting of Japanese Society of Animal Science
The 130th Annual Meeting of Japanese Society of Animal Science

The 130th Annual Meeting of Japanese Society of Animal Science

Sep 14 - Sep 17, 2022Tokyo University Of Agriculture

[IIYS-06]GPR75シグナリングは摂食を促進的に制御し高脂肪食による 過食・肥満・高血糖・インスリン抵抗性を仲介する

*Yuki Otsuka1, Masumi Hirabayashi2, Naoko Inoue1, Hiroko Tsukamura1, Yoshihisa Uenoyama1(1. Nagoya Univ, 2. The National Institute for Physiological Sciences)
視床下部は、摂食や繁殖を制御する中枢である。我々は先行研究により、ラット視床下部にGPR75が高発現することを見出した。本研究ではGPR75シグナリングの生理機能を明らかにすることを目的とし、Gpr75ノックアウト(KO)が摂食、代謝および繁殖に及ぼす影響を検討した。雌雄Gpr75 KOラットの摂食量と体重は、野生型(WT)と比較して有意に少なかった。一方、性成熟開始や黄体形成ホルモンのパルス状分泌に、WTとGpr75 KO群間で有意な差は認められなかった。次に雄ラットを用い、GPR75が過食や肥満に関与する可能性を検討した。WT高脂肪食群では、通常食と比べ摂食量が有意に増加し、体重、内臓脂肪量が有意に増加した。一方、Gpr75 KOラットでは、高脂肪食による摂食量、体重、内臓脂肪量の増加は認められなかった。WT高脂肪食群では、糖負荷後の血糖値と血中インスリン濃度が高く維持された一方で、Gpr75 KO高脂肪食群では、糖負荷後に血糖値と血中インスリン濃度が一過性に上昇した後、速やかに基底値を回復した。以上より、GPR75シグナリングは繁殖制御には関与せず、摂食を促進的に制御し、高脂肪食による過食、肥満、高血糖、インスリン抵抗性を仲介する可能性が示された。GPR75をターゲットとした作動薬、拮抗薬の開発は、繁殖に影響を与えることなく、摂食、体重を制御する技術の開発に繋がると期待される。