[IYS-06]IoTセンサ・カメラからのデータを考慮した乳牛腸管由来のメタン排出量推定モデル提案のための基礎検討
*SamuelKinari Saga1, Shiho Ishikawa2, Tomohiro Mitani3, Shigeru Morita2, Ryoichi Hara4, Takayuki Tanaka4, Michio Komiya2, Kazuei Ishii1, Satoru Ochiai1(1. Hokkaido Univ, Graduate school of engineering, 2. Rakuno gakuen Univ, Agricultural and Food Environment Studies, 3. Hokkaido Univ, Research Faculty of Agriculture, 4. Hokkaido Univ, Faculty of Information Science and Technology)
【目的】酪農業の脱炭素化に向けて,酪農業由来の温室効果ガスの大部分を占める乳牛腸管由来メタンガス(CH₄)排出量を削減することが求められている.CH₄排出を削減するうえで排出量の計測は不可欠となるが,Respiration Chamber法では通常の飼養環境でのCH₄排出量を計測することは不可能であった.本研究では多様な飼養環境要因を考慮したCH₄排出量の推定モデルを構築することを目的として,レーザー方式メタン検知器(LMD)によるCH₄排出量定量の可能性を検討した.【方法】繋ぎ飼い牛舎で飼養する乳牛3頭の鼻腔にLMDの可視レーザを照射して呼気中CH₄濃度を計測した.1頭は同一日の12時台・15時台に計測し,時間帯による呼気中CH₄濃度変化を調査した.それぞれの時間帯で約35分, 8分の測定データが得られた.他2頭は連続測定し,牛個体間での呼気中CH₄濃度の違いを調査した.それぞれ約20分,13分の測定データが得られた.【結果】12時台と15時台の呼気中CH₄濃度の平均値はそれぞれ50.3, 43.9 ppmで,12時台の濃度が有意に高かった(P < 0.05). 2頭の呼気中CH₄濃度の平均値はそれぞれ34.0, 27.0 ppmで有意に差が認められた.以上の結果から,LMDを用いて乳牛のCH₄排出量の多寡を評価し,環境要因等とCH₄排出量の関係を明らかにできる可能性が示された.
