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[II-20-26]ウシヘプシジン発現の特徴:鉄-BMP軸による制御

Manami Matsumura1, Erina Itoyama1, Masaru Murakami2, Fumie Shimokawa2, Hidetsugu Yoshioka1, *Masayuki Funaba1 (1. Kyoto Univ Grad Sch Agr, 2. Azabu Univ Sch Vet Med)
【目的】子牛は鉄欠乏性貧血に陥りやすい。これは母乳の鉄濃度が低いためと理解されているが、それだけでは説明はつかない。肝細胞由来のヘプシジンは鉄の腸管吸収やマクロファージからの鉄放出を抑制する。ヘプシジン発現は鉄欠乏・過剰に応じてそれぞれ減少・増加する: 鉄負荷に応じてBMP6が産生され、これが肝細胞に作用し、Smad1/Smad4活性化を通してヘプシジン転写は亢進する。今回ウシヘプシジン発現制御を解析した。 【方法】動物試験:14頭の黒毛和種子牛を用いた。出生直後に鉄を筋肉内注射し(n=7)、血中鉄代謝関連因子濃度を測定した。細胞培養試験:ヒト、マウス、ウシ肝細胞株、Smad4欠失細胞株を用いてBMP6によるヘプシジン発現制御を検討した。 【結果および考察】1-4週齢の子牛のヘマトクリット、血中ヘモグロビン濃度、血漿鉄濃度は参照値を下回ったが鉄補給により改善した。一方、鉄補給は血漿ヘプシジン濃度に影響を及ぼさなかった。細胞培養試験からウシSmad4 のヘプシジン転写促進能は低いことが明らかになり、これはSmad4のmRNA安定性が低いことが原因と考えられた。実際、ヒト、マウス肝細胞株に比べてウシ肝細胞株のSmad4タンパク質量は低く、BMP6によるヘプシジン発現誘導も起きなかった。ウシではSmad4発現が低いことが一因となり鉄栄養の変化と連動したヘプシジン発現調節が起きにくい可能性がある。