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[IV-20-10]暑熱ストレスによるウシ卵母細胞の胚発生能低下はグルタチオンエチルエステル添加によって改善される

*Aguri Yasuda1, Keiichi Kariya1, Fuko Matsuda2, Fumie Magata2 (1. Tokyo Univ., 2. Tokyo Unive.)
【目的】暑熱により引き起こされる酸化ストレスは、卵母細胞の品質を低下させることが示されている。本研究では抗酸化物質であるグルタチオンエチルエステル(GSH-MEE)が、成熟期に暑熱負荷を与えた卵母細胞の胚発生能におよぼす影響を検討した。【方法】ウシ卵巣より卵丘細胞-卵母細胞複合体を採取し、以下の4群にて体外成熟培養を行った。1)暑熱なし+GSH-MEE非添加、2)暑熱なし+GSH-MEE添加、3)暑熱あり+GSH-MEE非添加、4)暑熱あり+GSH-MEE添加。暑熱なしは38.5℃、暑熱ありは40.5℃で体外成熟培養を行い、GSH-MEE添加濃度は5 mM とした。培養後は核成熟率を算出し、細胞質成熟の指標として表層顆粒の分布パターンを調べた。成熟卵子は38.5℃で体外受精に供し、前核形成、卵割率および胚盤胞期胚への発生率を評価した。【結果】核成熟率、卵割率、胚盤胞期発生率は暑熱負荷によって低下し、GSH-MEE添加によって暑熱なし、あり群双方で向上した。暑熱あり群ではGSH-MEE添加によって表層顆粒が細胞表層に均一に分布する成熟型の割合が増加した。2個の前核形成を示す正常受精の割合は4群間で有意な差はみられなかった。【結論】卵母細胞の成熟期における暑熱負荷は胚発生能を低下させるが、GSH-MEEは核および細胞質成熟を促進させることで、胚盤胞期胚への発生率を向上させたと考えられる。