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[O11-4]当院におけるEncorafenibの使用経験
小笹 悠, 名西 健二, 有田 智洋, 清水 浩紀, 木内 純, 倉島 研人, 井上 博之, 高畠 和也, 西別府 敬士, 久保 秀正, 今村 泰輔, 小菅 敏幸, 山本 有祐, 小西 博貴, 森村 玲, 藤原 斉, 塩﨑 敦 (京都府立医科大学消化器外科)
【はじめに】BRAFV600E変異陽性切除不能再発大腸癌に対するEncorafenibの使用経験を報告する。薬剤に関する略語は大腸癌治療ガイドラインに準ずる。
【症例1】70歳女性,PS2
病理診断: A, tub2>por2>muc>pap, pT4aN2bM0
遺伝子変異: RAS野生型、BRAF変異陽性、pMMR
原発切除:ロボット支援腹腔鏡下回盲部切除(R-ICR) D3
補助化学療法:UFT+LV 4コース
肝・肺転移再発に対しFOLFOXIRI+BEV 4コース施行後Progressive Disease (PD) となり、二次治療としてENCO+CETを開始。14コース終了時にCEA 16.5→2.2ng/mL 、CA19-9 418→34.4/mL、肝転移最大径24→5mmと最大治療効果を得た。51コース終了時に、脳転移に対する脳腫瘍摘出・ガンマナイフ療法施行後に脳梗塞を発症し原発術後23ケ月で原病死した。
【症例2】50歳女性,PS0
病理診断: A, tub2>>tub1, pT3N3M1a(H1, GradeC)
遺伝子変異: RAS野生型、BRAF変異陽性、pMMR
原発切除: R-ICR D3
肝切除①:腹腔鏡下肝部分切除 [CAPOX4コース後]
残肝・腹膜播種再発に対しFOLFOXIRI+BEV 6コースを施行後PDとなり、二次治療としてENCO+BINI+CETを開始。9コース終了時点でCEA 23.5→4.8ng/mL、CA19-9 1840→751U/mL、肝転移最大径19→5mm、腹膜播種も縮小した。肝切除②追加+化学療法休薬後に残肝再発、腹膜播種増悪、リンパ節・肺転移の出現を認め、ENCO+BINI+CETを再開。現在合計23コース終了時点でCEA 15.7→5.2ng/mL、CA19-9 708→155 U/mL、画像上の縮小も維持している。
【症例3】74歳女性,PS2
病理診断: A, tub2>por2, pT4aN3M1c2(H1, Grade C, P2)
遺伝子変異: RAS野生型、BRAF変異陽性、dMMR
原発切除:R-ICR D3
術後FOLFOXIRI+BEV 4コース、Pembro 3コース施行するも、播種再発・肝転移の増大を認め、三次治療としてENCO+CET(-10%)を開始。現在4コース終了時点でCEA 172→10.5ng/mL、CA19-9 2579→143U/mL、肝転移最大径40→19.6mm、播種結節も縮小を維持している。
【まとめ】いずれの症例でも重篤な副作用なく良好な病勢コントロールを得ており、EncorafenibはBRAFV600E変異陽性の切除不能再発大腸癌に対して安全かつ有効であった。
【症例1】70歳女性,PS2
病理診断: A, tub2>por2>muc>pap, pT4aN2bM0
遺伝子変異: RAS野生型、BRAF変異陽性、pMMR
原発切除:ロボット支援腹腔鏡下回盲部切除(R-ICR) D3
補助化学療法:UFT+LV 4コース
肝・肺転移再発に対しFOLFOXIRI+BEV 4コース施行後Progressive Disease (PD) となり、二次治療としてENCO+CETを開始。14コース終了時にCEA 16.5→2.2ng/mL 、CA19-9 418→34.4/mL、肝転移最大径24→5mmと最大治療効果を得た。51コース終了時に、脳転移に対する脳腫瘍摘出・ガンマナイフ療法施行後に脳梗塞を発症し原発術後23ケ月で原病死した。
【症例2】50歳女性,PS0
病理診断: A, tub2>>tub1, pT3N3M1a(H1, GradeC)
遺伝子変異: RAS野生型、BRAF変異陽性、pMMR
原発切除: R-ICR D3
肝切除①:腹腔鏡下肝部分切除 [CAPOX4コース後]
残肝・腹膜播種再発に対しFOLFOXIRI+BEV 6コースを施行後PDとなり、二次治療としてENCO+BINI+CETを開始。9コース終了時点でCEA 23.5→4.8ng/mL、CA19-9 1840→751U/mL、肝転移最大径19→5mm、腹膜播種も縮小した。肝切除②追加+化学療法休薬後に残肝再発、腹膜播種増悪、リンパ節・肺転移の出現を認め、ENCO+BINI+CETを再開。現在合計23コース終了時点でCEA 15.7→5.2ng/mL、CA19-9 708→155 U/mL、画像上の縮小も維持している。
【症例3】74歳女性,PS2
病理診断: A, tub2>por2, pT4aN3M1c2(H1, Grade C, P2)
遺伝子変異: RAS野生型、BRAF変異陽性、dMMR
原発切除:R-ICR D3
術後FOLFOXIRI+BEV 4コース、Pembro 3コース施行するも、播種再発・肝転移の増大を認め、三次治療としてENCO+CET(-10%)を開始。現在4コース終了時点でCEA 172→10.5ng/mL、CA19-9 2579→143U/mL、肝転移最大径40→19.6mm、播種結節も縮小を維持している。
【まとめ】いずれの症例でも重篤な副作用なく良好な病勢コントロールを得ており、EncorafenibはBRAFV600E変異陽性の切除不能再発大腸癌に対して安全かつ有効であった。