Presentation Information
[O13-5]クローン病の肛門病変に対する診断と治療~外科の役割
硲 彰一, 藤井 敏之, 北原 正博, 木原 ひまわり (周南記念病院消化器病センター外科)
【初めに】クローン病には肛門病変が高頻度に合併し、再発をくり返し難治化することから、QOLを著しく低下させる。我々は難治性痔瘻に対する治療として、生物学的製剤による全身治療をベースとし、局所療法としてSeton法を用いて一次口と二次口を一本化した後に再生医療薬(ダルバドストロセル:アロフィセル)を併用して原発口の根治を目指している。
【方法と結果】瘻孔の診断は、造影CTと単純MRIを用いて行っているが、仙骨硬膜外麻酔を用いてドレナージ手術を行う際に、二次口の開口部からオキシドールを注入することにより、瘻孔内の圧を上げ、分かりにくい二次口や原発口から泡の噴出を確認することで活動性の瘻孔を検出できる。クローン病に合併する痔瘻は、通常の肛門腺の感染に加えて、Ulcerated Pileと呼ばれる肛門管・直腸のクローン病変が原発口となることも多く、生物学的製剤による全身治療をベースとして、肛門病変の改善並びに腸管病変を初めとする全身のクローン病変の沈静化を図ることが必須である。これと平行して複雑痔瘻を単純するため、二次口間に6ミリのペンローズドレ-ンを使用して複数のSetonドレナージを置く。また、原発口と近接する二次口のあいだには細めのゴムドレーンを留置しておく。これによって症例により期間に幅はあるが、1箇所の原発口に対して二次口を一つに集約化することが可能である。このような前処置により瘻孔や膿瘍が沈静化させた後に、根治的手術療法を行う。すなわち、瘻孔の搔爬と原発口の縫合閉鎖を行った後、アロフィセルを原発口と瘻管周囲に注入する。これにより局所の炎症反応は沈静化され、術後早期から瘻孔の治癒が促進される。
【結語】我々は生物学的製剤を用いた全身療法、局所のSeton法を用いた瘻孔の一本化、アロフィセルを用いた原発口と瘻管の治癒促進効果により良好な結果を得ている。手術手技のビデオや文献的報告を含めて、クローン病に対する外科的介入を紹介する。
【方法と結果】瘻孔の診断は、造影CTと単純MRIを用いて行っているが、仙骨硬膜外麻酔を用いてドレナージ手術を行う際に、二次口の開口部からオキシドールを注入することにより、瘻孔内の圧を上げ、分かりにくい二次口や原発口から泡の噴出を確認することで活動性の瘻孔を検出できる。クローン病に合併する痔瘻は、通常の肛門腺の感染に加えて、Ulcerated Pileと呼ばれる肛門管・直腸のクローン病変が原発口となることも多く、生物学的製剤による全身治療をベースとして、肛門病変の改善並びに腸管病変を初めとする全身のクローン病変の沈静化を図ることが必須である。これと平行して複雑痔瘻を単純するため、二次口間に6ミリのペンローズドレ-ンを使用して複数のSetonドレナージを置く。また、原発口と近接する二次口のあいだには細めのゴムドレーンを留置しておく。これによって症例により期間に幅はあるが、1箇所の原発口に対して二次口を一つに集約化することが可能である。このような前処置により瘻孔や膿瘍が沈静化させた後に、根治的手術療法を行う。すなわち、瘻孔の搔爬と原発口の縫合閉鎖を行った後、アロフィセルを原発口と瘻管周囲に注入する。これにより局所の炎症反応は沈静化され、術後早期から瘻孔の治癒が促進される。
【結語】我々は生物学的製剤を用いた全身療法、局所のSeton法を用いた瘻孔の一本化、アロフィセルを用いた原発口と瘻管の治癒促進効果により良好な結果を得ている。手術手技のビデオや文献的報告を含めて、クローン病に対する外科的介入を紹介する。