Presentation Information
[O14-3]大腸癌大動脈周囲リンパ節転移の切除適応の最適化を目指して
北原 拓哉, 大内 晶, 小森 康司, 木下 敬史, 佐藤 雄介, 安岡 宏展, 安藤 秀一郎 (愛知県がんセンター消化器外科部)
【背景】大腸癌大動脈周囲リンパ節転移(PALNM)に対する外科切除は一定の治療効果をもたらす一方,切除後の転帰が不良な患者も少なくない.
【目的】大腸癌PALNMに対する外科切除後の予後因子を検討する.
【対象および方法】2006年から2024年に当院で大腸癌孤立性(他遠隔転移を有さない)PALNMに対して外科切除を施行した患者を対象とし,OS・RFS・リンパ節再発の予後因子を検討した.
【結果】対象患者は36例で,年齢中央値は63歳,男性が18例(50.0%).時制は同時性/異時性が18/18例,深達度はcT1-3/cT4が20/16例.臨床的(c)PALNM個数は1個/2個/3個以上が11/7/17例.cPALNM径は10mm未満/10-15mm/15mm以上が5/20/10例であった.術前化学療法を15例(41.7%),術後化学療法を29例(80.1%)に施行した.対象の5年OSは57.9%,5年RFSは39.4%,5年リンパ節再発率は47.1%であった.OSの単変量解析では3個以上(HR (95%CI) 4.27 (1.16-15.82), P=0.03)、同時性転移(HR (95%CI) 3.32(1.01-10.88), P=0.047)が有意に予後不良であった.RFSでは15mm未満(HR (95%CI) 4.02(1.16-13.89), P=0.029)が有意に予後不良で,リンパ節再発ではcT1-3(HR (95%CI) 3.70(1.02-13.33), P=0.046)が有意に予後不良であった.
【考察】PALNM切除の治療成績は未だ不良である.特に小リンパ節が多発する症例において,集学的治療による治療成績の向上が望まれる.
【目的】大腸癌PALNMに対する外科切除後の予後因子を検討する.
【対象および方法】2006年から2024年に当院で大腸癌孤立性(他遠隔転移を有さない)PALNMに対して外科切除を施行した患者を対象とし,OS・RFS・リンパ節再発の予後因子を検討した.
【結果】対象患者は36例で,年齢中央値は63歳,男性が18例(50.0%).時制は同時性/異時性が18/18例,深達度はcT1-3/cT4が20/16例.臨床的(c)PALNM個数は1個/2個/3個以上が11/7/17例.cPALNM径は10mm未満/10-15mm/15mm以上が5/20/10例であった.術前化学療法を15例(41.7%),術後化学療法を29例(80.1%)に施行した.対象の5年OSは57.9%,5年RFSは39.4%,5年リンパ節再発率は47.1%であった.OSの単変量解析では3個以上(HR (95%CI) 4.27 (1.16-15.82), P=0.03)、同時性転移(HR (95%CI) 3.32(1.01-10.88), P=0.047)が有意に予後不良であった.RFSでは15mm未満(HR (95%CI) 4.02(1.16-13.89), P=0.029)が有意に予後不良で,リンパ節再発ではcT1-3(HR (95%CI) 3.70(1.02-13.33), P=0.046)が有意に予後不良であった.
【考察】PALNM切除の治療成績は未だ不良である.特に小リンパ節が多発する症例において,集学的治療による治療成績の向上が望まれる.