Presentation Information
[O15-2]当科における大腸癌肝転移に対する手術成績について
秋山 泰樹, 三ノ宮 寛人, 新田 挙助, 古賀 敦大, 山内 潤身, 森 泰寿, 永田 淳, 田村 利尚, 平田 敬治 (産業医科大学第1外科)
【はじめに】大腸癌の他臓器転移については、患者の全身状態、同時性か異時性か、転移個数、転移臓器数、大きさなどにより治療方針の決定に苦慮する。今回、当科における大腸癌の転移性肝腫瘍切除症例の成績について報告する。
【対象と方法】2015年1月から2024年12月までに初回肝切除術を施行した大腸癌の転移性肝腫瘍27例を対象とし、術後再発や予後について検討を行った。
【結果】男性17例、女性10例であり、平均年齢は67.6歳であった。原発部位はS状結腸と直腸がそれぞれ11例と多く、転移巣は単発が20例、多発が7例であった。また、同時性が15例、異時性が12例であり、異時性において、原発切除からの再発までの平均日数は437日であった。肝切除前の化学療法については同時性で12例に、異時性で4例に行われていた。手術については、部分切除が16例と最も多く、腹腔鏡手術が20例であった。術後再発は14例(51.9%)に認めた(肝臓:7例、骨盤内:3例、リンパ節:3例、肺:3例、膣:1例、脳:1例)。腫瘍マーカーや腫瘍サイズ、化学療法の有無などによる再発率の差は認めなかった。異時性転移に限定して解析したところ、単発と多発で1年後の無再発生存率に差を認めた(P=0.0002)。
【考察】今回、大腸癌肝転移に対する初回肝切除の治療成績について報告した。術後の再発率についてはこれまでの報告と遜色ないが、やはり再発を予測、抑制する検査、治療方法の確立が急がれると考える。現在、様々な臨床試験が行われており、その結果に期待したい。
【対象と方法】2015年1月から2024年12月までに初回肝切除術を施行した大腸癌の転移性肝腫瘍27例を対象とし、術後再発や予後について検討を行った。
【結果】男性17例、女性10例であり、平均年齢は67.6歳であった。原発部位はS状結腸と直腸がそれぞれ11例と多く、転移巣は単発が20例、多発が7例であった。また、同時性が15例、異時性が12例であり、異時性において、原発切除からの再発までの平均日数は437日であった。肝切除前の化学療法については同時性で12例に、異時性で4例に行われていた。手術については、部分切除が16例と最も多く、腹腔鏡手術が20例であった。術後再発は14例(51.9%)に認めた(肝臓:7例、骨盤内:3例、リンパ節:3例、肺:3例、膣:1例、脳:1例)。腫瘍マーカーや腫瘍サイズ、化学療法の有無などによる再発率の差は認めなかった。異時性転移に限定して解析したところ、単発と多発で1年後の無再発生存率に差を認めた(P=0.0002)。
【考察】今回、大腸癌肝転移に対する初回肝切除の治療成績について報告した。術後の再発率についてはこれまでの報告と遜色ないが、やはり再発を予測、抑制する検査、治療方法の確立が急がれると考える。現在、様々な臨床試験が行われており、その結果に期待したい。