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[O15-4]大腸癌肝転移切除後の残肝再発切除症例の検討

長谷川 昂, 三吉 範克, 竹田 充伸, 関戸 悠紀, 波多 豪, 浜部 敦史, 荻野 崇之, 植村 守, 江口 英利, 土岐 祐一郎 (大阪大学消化器外科学)
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【目的】大腸癌肝転移に対する肝切除は長期生存が期待され、根治切除可能な肝転移は切除が推奨されるが残肝再発も多く見られる。その際の再肝切除に関しても状況に応じて切除が考慮されるが一定の見解は得られていない。今回我々は、当院において大腸癌初回肝転移に対して肝切除施行後の残肝再発に対して再肝切除を施行した症例について治療成績を検討し、その意義を明らかにすることを目的とした。
【方法】2012年から2019年に当院で大腸癌初回肝転移に対して肝切除を施行した77例のうち、残肝再発に対して再肝切除を施行した23例を対象とした。患者背景に関しては原発巣手術時の因子と初回肝転移巣手術時の因子を含め、再肝切除時の術後成績を後方視的に検討した。
【結果】再肝切除を施行した症例は男性10例、女性13例、再肝切除施行時の年齢中央値は66.5歳であった。原発巣は結腸癌17例、直腸癌6例、同時性肝転移15例、異時性肝転移8例であった。肝転移初回手術での切除腫瘍数は1個が12例、2個以上が11例であった。初回肝転移切除から残肝再発までの期間中央値は388日であった。再肝切除時の切除腫瘍数は1個が13例、2個以上が10例で、13例で肝部分切除術が施行された。再肝切除術後30日以内の死亡症例は認めなかった。再肝切除後の生存率は術後1年82.6%、術後3年72.8%、術後5年60.1%であった。残肝切除後からの無再発生存率は術後1年88.9%、術後3年49.4%、術後5年24.7%であった。
【結論】大腸癌肝転移切除後再発例における再肝切除の治療成績を検討した。予後因子に関してさらなる症例の集積が必要である。