Presentation Information
[O17-4]当科における潰瘍性大腸炎に対する2期分割手術の治療成績の検討
山内 慎一, 池田 晋太郎, 國本 真由, 後藤 佳名子, 中田 美佳, 三浦 竣助, 伊藤 望, 勝谷 俊介, 西山 優, 鳴海 絢, 原田 紡, 杉下 哲夫, 青柳 康子, 山本 雄大, 花岡 まりえ, 谷岡 利朗, 賀川 弘康, 絹笠 祐介 (東京科学大学消化管外科学分野)
【背景】手術適応と判断される潰瘍性大腸炎(UC)患者は、長い薬物投与歴や全身状態の影響により周術期合併症リスクが高く、管理に難渋することもしばしばみられるため、緊急性及び患者のPerformance statusに応じた適切な分割手術の選択や、低侵襲手術(MIS)の導入、適正な周術期管理が求められる。当院における2期分割手術は、以前は緊急手術症例をはじめとした全身状態の比較的不良な症例に対しても適用していたが、近年では、周術期合併症を減らして安全に治療を進めるため、原則として緊急手術は3期分割手術、予定手術は2期分割手術を選択している。
【目的】当院におけるUC患者に対する2期分割手術の手術成績を解析、評価することを目的とした。
【対象と方法】2014年1月から2025年3月までに、手術を施行したUC患者のうち、2期分割手術を行った対象とし、対象期間を前後期に分けて、その特徴と手術成績、術後合併症について後方視的に検討した。
【結果】対象期間に手術を施行した全UC患者は161名であり、計206件の手術(人工肛門閉鎖術除く)が行われた。その中で2期分割を計画して施行した手術は、77名/77件であり、年齢中央値は44歳、男48/女29例、手術適応は、内科的治療抵抗性/重症/癌合併:31/18/28例であり、再建は、IACA/IPAA/再建不可:27/49/1例であった。前期/後期別の緊急手術は19(50%)/7(18%)件、ロボット支援手術を含むMISは31(82%)/39(100%)件であり、手術時間中央値354/360分(N.S.)、出血量210/80ml(p<0.01)、術後在院日数中央値16/8日(p<0.01)、MISでの開腹移行は見られず、Clavien-Dindo分類2以上の術後合併症は16(42%)/11(28%)例(N.S.)であった。
【結語】当科におけるUCに対する2期分割手術は、時代の変遷とともに、緊急手術への適応を回避しながら、比較的良好な手術成績が得られていた。また、MISにより合併症を軽減できる可能性が示唆された。
【目的】当院におけるUC患者に対する2期分割手術の手術成績を解析、評価することを目的とした。
【対象と方法】2014年1月から2025年3月までに、手術を施行したUC患者のうち、2期分割手術を行った対象とし、対象期間を前後期に分けて、その特徴と手術成績、術後合併症について後方視的に検討した。
【結果】対象期間に手術を施行した全UC患者は161名であり、計206件の手術(人工肛門閉鎖術除く)が行われた。その中で2期分割を計画して施行した手術は、77名/77件であり、年齢中央値は44歳、男48/女29例、手術適応は、内科的治療抵抗性/重症/癌合併:31/18/28例であり、再建は、IACA/IPAA/再建不可:27/49/1例であった。前期/後期別の緊急手術は19(50%)/7(18%)件、ロボット支援手術を含むMISは31(82%)/39(100%)件であり、手術時間中央値354/360分(N.S.)、出血量210/80ml(p<0.01)、術後在院日数中央値16/8日(p<0.01)、MISでの開腹移行は見られず、Clavien-Dindo分類2以上の術後合併症は16(42%)/11(28%)例(N.S.)であった。
【結語】当科におけるUCに対する2期分割手術は、時代の変遷とともに、緊急手術への適応を回避しながら、比較的良好な手術成績が得られていた。また、MISにより合併症を軽減できる可能性が示唆された。