Presentation Information
[O18-5]クローン病初回手術症例584例に対する吻合部狭窄に対する再手術リスク因子の検討
楠 蔵人1, 友尾 祐介1, 野村 和徳1, 長野 健太郎1, 宋 智亨2, 桑原 隆一1, 堀尾 勇規1, 木村 慶2, 片岡 幸三2, 内野 基1, 池内 浩基1 (1.兵庫医科大学炎症性腸疾患外科, 2.兵庫医科大学下部消化管外科)
【目的】クローン病(以下CD)は発症後十年で70%以上が何らかの手術を受け、初回手術後も再発病変に対する手術が高率で必要となるという報告がある。初回手術時の吻合部に再発することも多く再手術の術式が前回吻合部切除となる場合も多い。CD初回手術後の再手術が必要な吻合部再発のリスク因子を明らかにすることを目的とした。
【方法】2014年1月から2024年7月までに当院でCDに対して初回腸管切除手術を施行した583症例に対して検討を行った。
【結果】患者の手術時平均年齢は36.2歳で、男性433人、女性151人であった。前回吻合部の再発症例は30例であった。そのうち狭窄症例が28例、瘻孔形成が2例であった。
臨床学的因子との検討においてはモントリオール分類や喫煙や手術成績(手術時間、出血量、周術期合併症)では有意差は認めなかったが、手術時年齢高値群(p<0.01)、術前BMI低値群(p<0.01)、肛門病変+群(p<0.01)や開腹手術群(p<0.01)が有意に吻合部再発が多いという結果であった。またた多変量解析においては手術時年齢高値群(HR=3.47, 95%CI 1.54-7.84, p<0.01)、術前BMI低値群(HR=2.98, 95%CI 1.34-6.34, p<0.01)、肛門病変+群(HR=2.56, 95%CI 1.17-5.6, p=0.02) が独立した予後規定因子として抽出された。
【結語】CD初回腸管切除手術において手術時年齢高値群(>34歳)、術前BMI低値群(<18.23)、肛門病変+群は術後の吻合部狭窄のリスクが高く術後の内科的加療の強化が重要であることが示唆された。
【方法】2014年1月から2024年7月までに当院でCDに対して初回腸管切除手術を施行した583症例に対して検討を行った。
【結果】患者の手術時平均年齢は36.2歳で、男性433人、女性151人であった。前回吻合部の再発症例は30例であった。そのうち狭窄症例が28例、瘻孔形成が2例であった。
臨床学的因子との検討においてはモントリオール分類や喫煙や手術成績(手術時間、出血量、周術期合併症)では有意差は認めなかったが、手術時年齢高値群(p<0.01)、術前BMI低値群(p<0.01)、肛門病変+群(p<0.01)や開腹手術群(p<0.01)が有意に吻合部再発が多いという結果であった。またた多変量解析においては手術時年齢高値群(HR=3.47, 95%CI 1.54-7.84, p<0.01)、術前BMI低値群(HR=2.98, 95%CI 1.34-6.34, p<0.01)、肛門病変+群(HR=2.56, 95%CI 1.17-5.6, p=0.02) が独立した予後規定因子として抽出された。
【結語】CD初回腸管切除手術において手術時年齢高値群(>34歳)、術前BMI低値群(<18.23)、肛門病変+群は術後の吻合部狭窄のリスクが高く術後の内科的加療の強化が重要であることが示唆された。