Presentation Information
[O20-7]進行直腸癌に対する至適な側方郭清と術前治療についての検討~側方リンパ節郭清省略の可能性~
竹下 浩明, 大石 海道, 堀川 修一, 久保 飛翔, 福井 彩恵子, 釘山 統太, 原 貴信, 森田 道, 藤井 美緒, 米田 晃, 南恵 恵樹, 黒木 保 (国立病院機構長崎医療センター外科)
【はじめに】腹膜飜転部にかかるT3以深の進行直腸癌に対して、大腸がん治療ガイドラインでは側方郭清を推奨している。しかし、画像による側方リンパ節転移陽性の基準は定まっておらず、局所進行直腸癌に対しては術前治療を行うことが多く、側方郭清の要否については結論が出ていない。我々は、側方領域にリンパ節構造がみられた場合は陽性(CT/MRIで同定できる径5mm以上)とし、陰性の場合、術前治療を行っている場合は側方郭清を省略する場合もある。
【目的】側方リンパ節の術前診断、術前治療とリンパ節転移有無、骨盤側方領域再発有無について自験例で検討し、至適な側方郭清の適応について検討する。
【対象】2016年4月~2025年4月の直腸癌症例272例。
【方法】側方郭清適応症例について、術前の側方リンパ節陽性/陰性、術前治療有無と治療内容、側方リンパ節郭清有無、病理学的リンパ節転移有無、術後の骨盤側方領域再発有無について検討。
【結果】腹膜飜転部にかかるT3以深の進行直腸癌症例は76例。術前診断で側方リンパ節転移陽性(cLLN+)は22例、陰性(cLLN-)は54例。1) cLLN+33例のうち術前治療は20例に行われていた(NAC11例、TNT9例)。cLLN+22例のうち術前治療でリンパ節が消失した4例以外の18例に側方郭清を行い、病理学的転移陽性(pLLN+)は3例だった。骨盤内再発は5例にみられ、3例は側方領域の再発(pLLN+3例中2例)だった。cLLN+で郭清非施行例は再発なし。2) cLLN-54例のうち、術前治療は42例に行われていた(CRT1例、NAC32例、TNT9例)。側方郭清施行は21例、非施行は33例。施行例中pLLN+は0例だった。cLLN-54例中の骨盤内再発は2例にみられたが、いずれも側方郭清非施行例であったが、側方領域の再発ではなかった。
【まとめ】側方郭清適応症例にはほとんどの症例で術前治療を行っていた。術前診断で側方リンパ節陰性症例は郭清症例でリンパ節転移がなく、非郭清症例で側方領域再発がなく、適切な術前治療を行えば側方リンパ節郭清を省略できる可能性がある。また、術前診断で側方領域リンパ節転移陽性症例でも術前治療で画像的に消失した場合は、側方郭清が省略できる場合があると考えられた。
【目的】側方リンパ節の術前診断、術前治療とリンパ節転移有無、骨盤側方領域再発有無について自験例で検討し、至適な側方郭清の適応について検討する。
【対象】2016年4月~2025年4月の直腸癌症例272例。
【方法】側方郭清適応症例について、術前の側方リンパ節陽性/陰性、術前治療有無と治療内容、側方リンパ節郭清有無、病理学的リンパ節転移有無、術後の骨盤側方領域再発有無について検討。
【結果】腹膜飜転部にかかるT3以深の進行直腸癌症例は76例。術前診断で側方リンパ節転移陽性(cLLN+)は22例、陰性(cLLN-)は54例。1) cLLN+33例のうち術前治療は20例に行われていた(NAC11例、TNT9例)。cLLN+22例のうち術前治療でリンパ節が消失した4例以外の18例に側方郭清を行い、病理学的転移陽性(pLLN+)は3例だった。骨盤内再発は5例にみられ、3例は側方領域の再発(pLLN+3例中2例)だった。cLLN+で郭清非施行例は再発なし。2) cLLN-54例のうち、術前治療は42例に行われていた(CRT1例、NAC32例、TNT9例)。側方郭清施行は21例、非施行は33例。施行例中pLLN+は0例だった。cLLN-54例中の骨盤内再発は2例にみられたが、いずれも側方郭清非施行例であったが、側方領域の再発ではなかった。
【まとめ】側方郭清適応症例にはほとんどの症例で術前治療を行っていた。術前診断で側方リンパ節陰性症例は郭清症例でリンパ節転移がなく、非郭清症例で側方領域再発がなく、適切な術前治療を行えば側方リンパ節郭清を省略できる可能性がある。また、術前診断で側方領域リンパ節転移陽性症例でも術前治療で画像的に消失した場合は、側方郭清が省略できる場合があると考えられた。