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[O21-7]当施設における痔核治療後の再治療症例についての検討
渡辺 伸和1, 早川 一博2, 森田 隆幸1 (1.青森厚生病院外科, 2.早川内科肛門科)
【はじめに】当院は痔核に対して主に結紮手術やALTAをおこなう有床診療所である。今回、痔核に対して治療(手術やALTA療法)を行った後に、再度の痔核治療を行った症例に関して検討した。【対象】2003年1月から2024年12月の22年間に施行した痔核治療(手術やALTA療法)は3526例だった。そのうち、再度の痔核治療をした症例は67例(1.9%)だった。それらの症例について、年齢、性別、年ごとの症例数、初回治療内容、再発治療内容、初回手術から再発治療までの期間、各治療の再発率について検討した。【結果】男性43例、女性24例。平均年齢52.3歳(22から90歳)。初回治療から再治療までの期間は平均76.3ヶ月(6から236ヶ月)だった。初回治療に結紮切除法(LE)は23例、LEとALTA併用(LE+ ALTA)は29例、ALTA療法(ALTA)は15例だった。それぞれの再治療率はLEが23/2671例(0.9%)、LE+ ALTAは29/600例(4.8%)、ALTAは15/242例(6.2%)だった。これらの群の再治療法と初回治療から再治療までの期間を検討した。以下、「初回治療(再治療法、その症例数と平均期間)」とする。LE(LE、13例、92.3ヶ月)、LE(LE+ ALTA、7例、99.8ヶ月)、LE(ESG、2例、62ヶ月)、LE+ ALTA(LE+ ALTA、17例、82.5ヶ月)、LE+ ALTA(LE、12例、53.8ヶ月)、ALTA(LE、5例、46.8ヶ月)、ALTA(LE+ ALTA、10例、57.1ヶ月)だった。2003年から2013年までの再治療数は5例、2014年から2024年までは62例であり、後半11年で症例数が増えた。また。初回治療でALTAやLE+ ALTAよりも、LEでは再治療の割合が低く、再度の治療までの間隔が長かった。【考察】LEの症例では再治療の割合が低く、再治療までの期間も長かった。当院では2006年からALTAを導入している。ALTAのみの治療では他の治療群に比べて、再治療の割合が高く、再治療までの期間も短かった。LE+ ALTAでも再治療率の割合がALTAと同じ程度だった。これはLEを行うべきかどうか迷う痔核に対して、ALTAを選択したことが理由と考えられた。今回、痔核治療後の再治療症例についての検討し、文献的考察を加えて報告する。