Presentation Information
[O24-2]大腸がんにおける術後感染症は再発後の生存期間に影響を与えるか
菊池 悠太, 松田 明久, 山田 岳史, 上原 圭, 進士 誠一, 横山 康行, 高橋 吾郎, 岩井 拓磨, 宮坂 俊光, 香中 伸太郎, 松井 隆典, 林 光希 (日本医科大学付属病院消化器外科)
【緒言】
大腸癌をはじめとする多くの癌種において術後感染症(Postoperative infection: PI)は予後不良因子と報告されている。しかし、PIが再発後の予後に与える影響は不明である。本研究では、大腸癌の再発症例を対象に初回手術時のPIおよび縫合不全(Anastomotic leakage:AL)、さらにClavien-Dindo Grade≧3(CD≧3)の重症合併症が再発後の予後に与える影響を検討した。
【方法】
2011年1月から2017年3月に当院および日本医科大学付属武蔵小杉病院で根治切除を受けたStage II/III大腸癌580例のうち、再発を認めた125例を対象とした。PI、ALおよびCD≧3の有無で群分けし、再発後の予後を比較検討した。
【結果】
再発例の年齢(中央値)は71歳、男女比は64:61、再発までの期間(中央値)は13.1ヵ月、再発後のMST(Median Survival Time:MST)は16.8ヵ月であった。PI、AL、CD≧3の発生率は、それぞれ24.0 %,9.6 %,13.6 %であった。MSTはPI無群17.3ヵ月、PI有群12.3ヵ月(P=0.661)、AL無群16.8ヶ月、AL有群28.0ヶ月(P=0.245)、CD≧3無群17.3ヵ月、CD≧3有群11.0ヵ月(P=0.191)で、いずれの比較においても有意差を認めなかった。
【考察と結語】
本検討では、PI、AL、CD≧3は、再発後の生存に有意な影響を与えなかった。我々が行った食道癌、胃癌の解析でこれらは再発後の予後に影響しており、その要因として、食道癌、胃癌の方がPIの影響が遷延しやすい点、また、背景としての全身状態の差がある点が考えられた。本検討のLimitationとして、再発後治療内容を検討されていない点が挙げられる。
大腸癌をはじめとする多くの癌種において術後感染症(Postoperative infection: PI)は予後不良因子と報告されている。しかし、PIが再発後の予後に与える影響は不明である。本研究では、大腸癌の再発症例を対象に初回手術時のPIおよび縫合不全(Anastomotic leakage:AL)、さらにClavien-Dindo Grade≧3(CD≧3)の重症合併症が再発後の予後に与える影響を検討した。
【方法】
2011年1月から2017年3月に当院および日本医科大学付属武蔵小杉病院で根治切除を受けたStage II/III大腸癌580例のうち、再発を認めた125例を対象とした。PI、ALおよびCD≧3の有無で群分けし、再発後の予後を比較検討した。
【結果】
再発例の年齢(中央値)は71歳、男女比は64:61、再発までの期間(中央値)は13.1ヵ月、再発後のMST(Median Survival Time:MST)は16.8ヵ月であった。PI、AL、CD≧3の発生率は、それぞれ24.0 %,9.6 %,13.6 %であった。MSTはPI無群17.3ヵ月、PI有群12.3ヵ月(P=0.661)、AL無群16.8ヶ月、AL有群28.0ヶ月(P=0.245)、CD≧3無群17.3ヵ月、CD≧3有群11.0ヵ月(P=0.191)で、いずれの比較においても有意差を認めなかった。
【考察と結語】
本検討では、PI、AL、CD≧3は、再発後の生存に有意な影響を与えなかった。我々が行った食道癌、胃癌の解析でこれらは再発後の予後に影響しており、その要因として、食道癌、胃癌の方がPIの影響が遷延しやすい点、また、背景としての全身状態の差がある点が考えられた。本検討のLimitationとして、再発後治療内容を検討されていない点が挙げられる。