Presentation Information
[O24-6]ロボット支援下左側大腸癌手術によって得られるIMA根部周囲から左側後腹膜の臨床解剖
佐々木 邦明, 澄川 宗祐, 久須美 貴哉 (恵佑会札幌病院消化器外科)
開腹手術から腹腔鏡下手術となり手技が熟成する中で、腹腔鏡による拡大視効果により詳細な臨床解剖認識が得られ、郭清組織の過不足ない摘除、神経や後腹膜臓器など温存すべき臓器の確実な温存、いわゆる手術の精度が向上した。さらに膜構造や脂肪境界、結合組織など微細解剖認識が発展してきた。しかしそれらを確実に獲得するためには、手術の標準化による術者、助手、スコピスト全ての高度な技量が要求された。術者優位鉗子先端の安定性、非優位鉗子の手技、組織切離、剥離のための助手の適切な展開など様々な多くの努力によって大腸癌手術は進展してきた。保険収載を期に腹腔鏡手術はロボット支援下手術への変化、が著しい現状である。当院でもロボット支援下手術を導入以後、その特徴を理解していく中でロボット支援下での手技による微細解剖の更なる認識、より正確な剥離の実現が得られつつあると考える。
今回、ロボット支援下左側大腸手術におけるIMA根部周囲、253番郭清の理解、また直腸間膜、S状結腸間膜、下行結腸間膜背側に存在する後腹膜解剖について考察する。腰内臓神経、周囲脂肪間間隙のより精細な認識により、253番郭清範囲の設定が安定すると考えられた。また後腹膜、腎筋膜は既報の通り腎、尿管、性腺血管、動脈周囲の構造、交差により3葉に分葉しており、これらはロボット支援による安定した術野の確保、特に内側からの安定した展開、精細な3D画像と術者優位鉗子の手振れ防止による繊細な操作により明らかにすることが出来ると考える。手術手技の精度の意味は最終的には短期成績、長期成績で検討されるべきではあるが、左側結腸手術症例を提示し、ロボット支援下手術にて得られる253番リンパ節領域から左側後腹膜解剖について考察し報告する。
今回、ロボット支援下左側大腸手術におけるIMA根部周囲、253番郭清の理解、また直腸間膜、S状結腸間膜、下行結腸間膜背側に存在する後腹膜解剖について考察する。腰内臓神経、周囲脂肪間間隙のより精細な認識により、253番郭清範囲の設定が安定すると考えられた。また後腹膜、腎筋膜は既報の通り腎、尿管、性腺血管、動脈周囲の構造、交差により3葉に分葉しており、これらはロボット支援による安定した術野の確保、特に内側からの安定した展開、精細な3D画像と術者優位鉗子の手振れ防止による繊細な操作により明らかにすることが出来ると考える。手術手技の精度の意味は最終的には短期成績、長期成績で検討されるべきではあるが、左側結腸手術症例を提示し、ロボット支援下手術にて得られる253番リンパ節領域から左側後腹膜解剖について考察し報告する。